カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

追加のご質問

追加のご質問です。とても良い質問で他の方にも参考になると思い、ここでシェアさせていただきます

 

Matt さん、非常に具体的なアドバイスを頂き有難うございます。いくつかの選択肢をご提示頂き、視界がぐっと開けました。仰る通り、現状の生活レベルが大きく下がるリスクを可能な限り避けつつ移住を実現したいと考え、そこで悩んでいたため、大変貴重なご回答をいただき有難うございます。
私は配偶者ビザは持っておらず、在カナダの日系企業で働きカナダ企業への転職を準備するか、フルタイムMBAを取得してpost graduate work permit期間中に永住権取得を狙うかのどちらかになると考えています。幸い勤務先にカナダ現地法人があるため、現地社員への切替の交渉も可能と思います。上記二つの選択肢のメリット・デメリットを整理してみたいと考えています。

「今すぐにでもカナダの永住権取得のプロセス」を始めた方が良いとのアドバイスを頂きましたが、移住のタイミング・年齢に関してMattさんはどの様に考えていらっしゃるか、もしよろしければ追加で質問をさせていただいてもよろしいでしょうか?
もしトロント大学でフルタイムMBAを取る場合、資金の工面・現在担当しているプロジェクトの区切りがつくタイミング・パートナーの仕事のタイミングを考えて32歳、または33歳での入学を考えています。Mattさんは30代前半で海外に出られたかと思いますが、海外移住のタイミング・年齢についてご経験を踏まえたアドバイスがありましたらご教示いただけますと大変有難く思います。
お仕事探しもお忙しいところ、質問ばかりで申し訳ございません。お時間の許す時にご回答を頂ければ幸いです。

素晴らしい質問です。ご質問の、32歳33歳での海外移住についてです。これは全く問題ありません。私が日本を出たのが32歳、イギリスでMBAを取得してカナダに来たのが34歳、ここでの一年二年は余り関係ありません。カナダでも流石に50歳を超えると年齢差別はあります。でも、isakiさんの年ではあまり気にしなくても良いと思います。カナダではレジュメに年齢を入れること、インタビューで年齢を聞くことは違法行為です。Isakiさんの年での一年、二年は問題にはなりません。ただし、できるだけ早くカナダでの職歴を作ることが大事ですので、スタートが早いに越したことはありません。また、仕事の都合と書かれていますが、仕事は自分が思うほど自分がいなくてもきちんと回るもの、自分の方針がきちんと決まっているのにタイミングを遅らせることは私ならしません。仕事も大事ですが、自分のキャリアのほうがより大事です。

 

さて、いきなりMBAを取るのか、現地法人への切り替えをするのか、とても大事な問題です。Isakiさんに様々な視点をご提供するために、敢えて私なりの考えを述べます。MBAを取ってその間に永住権取得、そしてカナダ企業への就職、これは一番カナダ企業への就職の近道ではあるのですが、最短の近道であるがゆえオプションに欠けます。例えば、Isakiさんのキャリアをアップグレードするもしくは労働市場でより価値をつけるためにMBAが最善の方法なのか、これはその業界の人と話をして、もしくは仕事募集のJob Descriptionを見るなどして分かってきます。Job DescriptionはIndeed.caなどを使えば見当はつくかと思いますが、その業界の人と話をしてより明確になるかと思います。また、MBA卒業後、景気後退期に入ってしまい求人が殆どないということもありえます。その際にはMBAをカナダで取ったものの就職できないという最悪の状況もありえます。

 

一方、現地法人経由の場合は、MBAがIsakiさんにとってキャリア向上のため最高のオプションなのかを業界の人に相談できる。もしくは別の資格がより役に立つかもしれない、もしくはMBAなどよりもカナダでの職歴のみが大事なのかもしれない、これを図れます。そして、もしMBAが最高のオプションであれば、会社を辞めてフルタイムでMBAを取得しても良いし、パートタイムといって仕事をしながらMBAを取ることも出来ます。私のいるオイル業界では、MBAを取るのに、きちんとした大学であれば、フルタイム、パートタイムは気にしません。MBAMBAと認識されます。また、パートタイムであれば景気の動向を見ながら転職活動を行えます。つまり、MBAを取る必要があるのか、取るとしてもフルタイムかパートタイムか、更に、どのタイミングで取るのかなど、状況によりフレキシブルに変更できます。また、Provincial Nominee Program というのがあって、例えばオンタリオ州がIsakiさんを州に貢献する人材であると判断した場合、Federal Governmentに対し、Isakiさんの永住権申請を加速させるよう要請することが出来ます。私はこの制度で永住権を取りました。私の場合、この推薦を受けて半年で取得できました。ただし、このプログラムはEmployerが州に依頼する形を取るので、もしカナダ法人の社長さんと話が付けられれば、これが永住権を確保する一番のやり方です。勿論、日本出国後いきなりMBAという場合にはこの制度は使えません。

 

上記色々書きましたが、移民というのは本当に大変なものです。ビザ、仕事探し、カナダでイチからキャリア作り、大変なことは多いです。私の場合はカナダで成功したいという強い決意を持っていましたが、色々な出会いが私を助けてくれました。でも、やる気のある人には道は開けると私は考えています。

 

上記で私の意見を述べる過程で様々な視点をご提供しました。これらの視点がIsakiさんがご自分で考える際のお役に立てたら良いと思います。また追加のご質問があれば何なりと。