カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

シンガポールの会議に出席して驚きました

先週はネットを通してですがシンガポールのConferenceに出席しました。あるCommodity商品のものなのですが、今後の需要供給予測、価格予測、脱炭素に対する業界の取り組み、それの与えるマーケットへの影響、中国市場の動向について。

 

改めて驚いたのが、中国の方たちのこういうConferenceへの進出度合いです。中国市場というのは原油天然ガス以外のコモディティ商品(銅、亜鉛、鉄鉱石、石炭などなど)の最大消費国ですので中国政府の今後の方針、市場動向というのはグローバル市場に与える影響はとても大きい。しかし、このConferenceにただ出席するというのではなく、プレゼンする側、パネルディスカッションに参加する中国の方々は多数です。どうでしょう、プレゼンやディスカッションに参加する2−3割は中国の方々でした。しかも、中国の会社からの出席ではなく、S&P500などいわゆる欧米系の会社の中国オフィススタッフとして参加しています。このコモディティでは日本も実はかなりの消費国になっていますが、今後市場が衰退しているので存在感は確かに薄い。でも、そう言っても世界でも有数の消費国ですが日本からのプレゼン側からの参加者はゼロ。日本という言葉はConferenceではほぼ出ませんでした。

 

私もこれまで沢山の業界のConferenceに参加してきましたが、このようにアジア人が中国オフィスとはいえ欧米企業を代表してプレゼンやパネルディスカッションに参加するのは殆ど見たことがありませんでした。この中国の方々の存在感半端ない。これまでたまに日本企業から日本の方がConferenceでプレゼンすることはたまにありましたが、日本企業としての参加で、欧米企業を代表してというのはありませんでした。つまり、日本人は日本企業の枠内での参加ですが、中国の方々はこの枠を超えて、欧米企業からの参加です。また、英語もアクセントはあるもののなかなか上手い。確実にイギリスもしくはアメリカの大学への留学経験ありの英語です。なので、たまに聞きづらいこともありますが、ほぼほぼ問題はありませんでした。

 

ここカルガリーでもアジア系のスーパーに買い出しに行くと、中国人の方々がBMWのX5とかメルセデスSUVに乗っている人ってたくさんいます。実際に私の前のオイル会社でも日本人は私一人でしたが多数の中国出身の中国の方々が働いていたました。中国の方々がカナダの一流企業で働くケースは多数あります。一方、日本人でカナダの一流企業の本社で働く人は正直自分と自分の奥さん以外聞いたことがありません。いるとしてもレイバーや電気技師などの手に職系の方だけです。殆どの方はジャパレスなどのレイバーとして働いていて、当然所得は厳しい(ここでは社会階層と所得の観点という経済の視点で述べています)。

 

たまに中国人を下に見る日本人を見かけますが、この現実を見るとありえないことです。今回のConferenceでは中国だけでなく中国人自身のグローバル社会の食い込み、そして逆に日本企業及び日本人自身の市場での存在感の完全な欠如を見せつけられました。

 

私の若いときには当たり前だった、日本でいい大学に入って良い企業に入るという成功図式がありましたが、日本経済自体が急速に縮小していく中、もし私の子供が日本に住んでいたらどうすればよいのか、本当に考えさせられました。もし私の子供が日本にいて、私と同じ大学に入学したら素直に良かったと喜べるだろうか。日本在住の皆さん、経済的なゆとりを求めるのであれば、海外への出稼ぎや移民について本格的に考えないといけない時代です。それだけでなく、グローバル経済の中で何か力を発揮したい、世界で自分の立ち位置を見つけたいなど、前向きにワクワク出来る環境に身を置くなら尚更です。