カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

俺は正しい選択をしたのか?

未だに自分に聞き返しています、自分は正しい選択をしたのか?

 

私はイギリスでMBAを取得後、ここカルガリーにある日系の財閥系商社にワークビザを取得してもらってここで働き始めました。東京にいるときは、ドイツ系の戦略コンサルとして働いていた私には、この商社での仕事はとても緩く感じました。でも、コンサルで心身ともにすり減った私にはとても良い期間でした。でも、年数を重ねて最短で仕事のタイトルは上がっていったのですが、給料は少しずつしか上がりません。いわゆるタイトルインフレです。タイトルだけが上がって、その割に肝心の給料はそれほど上がらない。ここにフラストレーションを感じた私は、仕事は所詮給料、タイトルなんて不要だから給料を最大化すると決心し、ここカルガリーに本社を構えるオイル会社からオファーを取り付け、10年働きました。給料は自分には貰いすぎと思えるくらい貰えました。レイオフ時のパッケージも想像以上のものでした。

 

それなのに、今回はオイルメジャーからの、年収ベース税引き後2割以上高いオファーを断りました。未だにこの判断が正しかったかはわかりません。このオファーを取った上でのベースシナリオは、そこそこのパフォーマンスは出せるけど昇進はない、ただし、年齢的にも私の強みを発揮できないという意味でも、5年位でレイオフに合うというものでした。もしかしたら他の人から見るととてもPessimisticな見方かもしれません。でも、私の年齢で且つ強みが活かせないエリアで昇進することは難しい。仕事の性質上、沢山の人を束ねていく仕事なので、私の語学力とオイル業界でのオペレーションの経験のない私にはこれらの人たちの言うことを一聞いて十理解することはできない。これ誤解のないように言いますが、私の英語力は日本人としては悪くはない。TOEICならきっと満点近く。TOEFLでもHarvardのMBAで必要とされるスコアを出せます。でも、やっぱりNativeじゃないのでこういう沢山の人を束ねる仕事は語学がハンデとなります。エンジニアやファイナンスの知識は勿論、結局は言葉で人を動かす仕事なので英語はNative並ではなく、Nativeでもエリートレベルが求められます。

 

一方、今の仕事を続ける上でのベースシナリオは、リタイヤメントまでこのまま働ける、そしてひとつ上のポジションには上がるというものです。そして、うまく言えば2つ上のポジションは狙えるというものです。今の仕事は市場分析の仕事なので、大勢の前でプレゼンしたり、経営トップの投資家向け資料を助けたりする仕事ですが、基本は自分のエリアの仕事の枠があり、大勢の人たちを束ねる仕事ではない。また、私の会社はカナダ最大のマイニング会社ですが、一流と言われるオイル会社に比べると、レベルは一つ下がるように感じます。具体的には、オイル会社で働く人間は、勿論職種にもよりますが、私のいたUpstream部隊は何らかのタイトルを最低一つは持っています。例えば、P.Eng, P.Geo, CA, CFA, MBA, Phd, など。MBAは単体ではあまり意味がなくて、P.Egn&MBAで意味を持ちます。一方、今の会社では単体でMBAを持っている人はそこそこいますが、そもそも資格保有者が少ない。アタナは何ができる人ですかというのが曖昧な人が多い。そうは言ってもカナダの一般の大手企業比べれば高いとは思いますが、Top of the Topではないということです。逆に言えば、私の価値は資格だけで言っても間違いなく秀でている。

 

さて、今の会社でポジションが一つ上がったとします。それでも、オファーを貰ったオイル会社の給料を単年ベースで超えることはできません。オイル会社のシナリオより数年長く働くことにより総年収でオイル会社よりも高くなるというベースシナリオです。従って、総年収の高い今の職場で働き続けることを決めました。これがロジック。

 

でもね、一寸先なんて誰にもわからないわけです。ここは日本ではない、カナダです。しかも資源ビジネスなんて先なんて何もわからない。明日と言わず今日の今日、今の今、私の会社が今の資産を売り払うかもしれない、上に上がれないかもしれない、上司と喧嘩してしまうかもしれない、オイル会社にはいないようなアホなやつに冷たく当たって職場で顰蹙を買ってしまうかもしれない。それなら、将来は誰にもわからないなら、ベースシナリオなんてなんの意味もなく、今最高の給料をもらえるオイル会社に行くべきだったのかなんて、何も難しいことを考えずに自分の欲望のまま飛びつくべきだったのかと未だに思います。

 

今回の冒険には自分の年齢や家族の状況も関わってきました。娘たちが高校生、中学生でこれからお金がかかるときを迎えていることが一つの大きな要因です。これまでのように、お父さん冒険ばっかりできません。お父さんの冒険心を満たすより、より安定を見込める決定です。また、自分の年齢から、自分にできるかできない仕事に飛びつく勇気が足りませんでした。家族のこととか言ったけど、結局はこの自分の勇気の問題が一番の原因です。勇気がなかった。家族のことはやっぱり言い訳です。だって、自分に自信さえがあれば家族を説得できたので。

 

もうオファーは断ったのでこのオプションはありません。自分の弱さをロジックで覆い隠そうとしても意味がありません。こうなったら、ベースシナリオより上を実現すべく、今の会社で2つ上に上がって行きましょう。2つ上に上がれば単年ベースでもオイル会社を超えられるので。やってやります。