カナダ外資系日記

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石油は枯渇する?埋蔵量について

今日は、埋蔵量について話したいと思います。

 

私が小さい頃、石油は近い将来枯渇するということをよく聞きました。しかし、あれから数十年経っても未だに石油は枯渇していません。何故なのでしょうか?キーワードは埋蔵量です。

 

皆さんも埋蔵量という言葉を聞いたことがあると思います。この仕事に携わる前は、埋蔵量とは地下に埋まっている石油の量だと思っていました。従って、石油を生産すればするほど埋蔵量が減り、当然いつかは石油は枯渇すると思っていました。このように理解されている方は多いと思います。日本には本当の意味でのオイルや天然ガスの上流会社が無いので、マスコミを含めこれを本当の意味で理解している人は余り居ないと思います。そして、欧米の石油会社は消費者に誤解し続けてもらったほうが都合が良いかもしれません(冗談ですよ冗談)。

 

石油や天然ガスの資源量を表すには、以下のように大まかに分けると、理解しやすいと思います。

 

  1. 地下に眠っている石油が天然ガスの資源量
  2. 現在の技術で取り出せる資源量
  3. 現在の技術で且つ近い将来取り出す計画のある資源量

 

上記の1は、現在の技術で生産出来るかできないかに関わらず、地下に石油・天然ガスありさえすれば、それを資源量としてカウントします。上記の2は、資源があっても現在の技術で取り出せないものはカウントしません。あくまで、現在の技術で生産出来る量に限ります。上記の3は、上記の2に加え、今後数年以内に開発計画がある、投資計画に記載されている資源量のみをカウントします。これを、我々の世界では埋蔵量、Reservesと呼びます。更に、今後5年以内に開発される90%以上の確度で生産されるものをProved Reserve、今後7年以内で50%の確度で生産されるものをProbable Reserveと呼びます。

 

私が昔、埋蔵量という言葉から推測していたのは上記の1です。しかし、1はResourrces、2はTechnically Recoverable Resources、そして3をReserves=埋蔵量と日本語では訳しています。つまり埋蔵量とは、採掘技術が向上すれば、また、会社が資金計画を増やせば、そして資源価格が上昇すれば、埋蔵量は増えます。また、上記の1でさえ、新しい油田が見つかれば、資源量は増えます。

 

世界の埋蔵量は軽く1Trillion barrelsを超えています。世界需要が 100 million barrels per day なので、28年は持つことになります。ただし、1年たてば、Proved Reserveであれば1年足して6年先、Probableであれば8年先分がReserveに追加できるので、実はいつまで経っても埋蔵量は減らないのです。オイル会社としては余り積極的に宣伝したいことではありません(笑)。

 

オイルは、我々、子供世代、孫世代で使い切ることは絶対に不可能なくらい豊富なのです。