カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

北米天然ガス市場予測と、今後も有望な会社

今日はWoodMacKenzieというエネルギー向け専門の調査・コンサルティング会社から北米の天然ガス市場予測についてプレゼンを受けましたので、その内容をシェアしちゃいましょう。

North American Trading Hubs and Pricing Points Source: Adapted from "Canadian Natural Gas Market Dynamics and Pricing", Oct 02, National Energy Board, www.neb-one.gc.ca.

カナダの天然ガスの生産量は約20 bcf/d (billion cubic feet per day)です。このbcf/d はまあ生産量を図る一つの単位として考えて下さい。

 

一方、USはテキサス州PermianのTight OilからAssociated Gas(オイルを生産していると、それに混じって同時に生産される天然ガス)が今後5年で 10 bcf/d の供給増、そしてUS North EastのMarcellusというところからも今後5年で 10 bcf/d の供給増、米国全体で 20 bcf/d の供給増になるとのこと。

 

米国の天然ガス生産量が確か 80 bcf/d ですから、20%以上の生産増、またはカナダのガス生産地域が新たに生まれるとも言えます。環境負荷の問題で、石炭から天然ガスに火力発電が切り替わり、米国からアジア・欧州へのLNG天然ガスを液化して輸送するガス、Liquiefied Natural Gas)需要は増加するでしょうが、流石にこれだけを吸収することはできません。まあ、一言で言えば、北米の天然ガスはじゃぶじゃぶに有り余っています。つまり、米国で消費しきれない天然ガスが、カナダに逆流することを意味します。従って、カナダの天然ガスは供給過多で価格低迷というシナリオです。

 

カナダのガス価格は変動しますが年間を通すと、C$1.5/mcfですが、極東市場での輸入価格はC$12/mcfくらいでしょうか。つまり、日本に持っていけば10倍です。まあLNGへの投資額は莫大ですが、日本のいくつかの会社は日本政府の資源金融で安ーくしかも大量にお金を借りられるし、日本の電力・ガス会社は地域独占ですから長期高値の売買契約は結べるし、なかなかの商売ですし、暫くはこの状況は変わらないでしょう。これ以上言うと怒られそうなのでこのへんで。

 

就活生の皆さんは、この辺を頭に入れて就職活動されてはどうでしょうか。