カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

カナダ連邦政府選挙

今日はカナダのポリティクス(政治)の話です。ポリティクスの話題は、カナダ国民の生活に多大な影響を及ぼし、且つ、ホッケーと並び、大人のエンターテイメントの一つです。10月21日に連邦政府の選挙が行われる見通しです。これから選挙戦、熱くなります。

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カナダの選挙は、連邦政府、州政府、市政府と3つの段階に別れています。ここでは皆さんに分かりやすいように、超ザクッと纏めます。我々の実生活に一番大きな影響を与えるのが州政府、その次が連邦政府、最後に市となります。

 

アルバータ州にあるオイルはアルバータ州民のものと決まっているので、アルバータ州政府が管轄します。従って、オイル会社がアルバータ州で生産したオイルの何%とかは税金とは別に、Royaltyという形で州政府に支払います。また、資源の管轄だけでなく、学校教育、医療、経済政策、環境、州の所得税、消費税などを決める権利も持っています。州が日本の方のイメージする国という感じです。

 

一方、今回選挙のある連邦政府は、州政府ができないこと、州を跨る仕事をします。例えば、通商、今揉めている環境政策、外交、防衛、更に連邦所得税、消費税を決めていきます。日本でも一時話題なった、ハンサム君のJustin Trudeuは、この連邦政府の首相になります。写真の右側の方です。

 

カナダ連邦は基本2大政党になっており、保守党と自由党です。写真の左の方が保守党の代表で、右側が自由党、そして、これら2大政党に加え無視できない存在になりつつあるのが、真ん中の写真がNDP(新民主党)の代表です。

 

またまたザクザクと切ると、保守党は右寄り、自由党は左より、NDPは左の更に左寄り。人によっては自由党は中立という人もいるかもしれません。見解の相違です。保守党は、小さな政府、よって公務員を減らし、税金をできるだけ減らし、高所得者だからといって税金をべらぼうには集めない、機会の平等・結果はその人次第という考え方でしょうか。また、LGBTQには本音は否定的というところでしょうか。結果的に、高所得者層、ビジネスで成功した人、男性ほどサポーターが多いと一般的には言えるでしょうか。私のオイル会社もこの保守党支持の人が多数です。

 

一方、自由党は、大きな政府、公務員優遇、組合OK、環境政策重視、LGBTQ推進という俗に言う進歩的な思想。従って、超ザクっと切ると、女性、環境推進派、低所得者層に人気あり。NDPは更に左。また、地域的にも、フランス語圏である東海岸ケベック、環境派のBC州(バンクーバーのある州)を中心に人気があるのが自由党、内陸の、アルバータサスカチュワンオンタリオなど英語圏で経済的にゆとりのある州で人気があるのが保守党という、超一般化するとこの構図になります。

 

従って、歴史的に見ても、自由党が政権を持つと公務員が増えて国に債務が増大、累進課税がきつくなる、これに嫌気が差して保守党が政権を持つと、小さな政府、公務員をできるだけ削減しようとし、債務を減らし、累進課税を弱めるということを繰り返しています。実際に、Justin Trudeauになってから財務が膨大に増えています。

 

過去4年、Justin Trudeuの自由党になり、環境政策重視のもと、オイルパイプラインは滞り、債務は増大、一方、ケベックのボンバルディエという航空会社には多額の支援を行う、一方、西側のアルバータオイル産業で膨大なレイオフが起きても知らんぷり、どこが政権を取るかで我々の生活が大きく変わります。従って、日本にいた時にはポリティクスには全く関心を持ちませんでしたが、カナダに住むと、興味を持たざるを得ませんし、ある意味、エンターテイメントだとも思います。