カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

仕事に一区切り

ようやく仕事に一区切り付きました。

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私の仕事は、今後10年の長期計画を作る仕事をしています。私の会社はオイルを探し出し、原油を生産し(上流)、それをパイプラインで運搬し(中流)、精製してガソリンなどの石油製品を作り、それを当社のガソリンスタンドネットワークで販売(下流)する上流から下流まで一気通貫のビジネスモデルです。その中で私が担当しているのは、オイルを探し出し生産する上流部門です。

 

現在生産しているオイルは毎年生産が減っていきます(Declineと言います)。従って、このDeclineを補うためには新たに地下に眠るオイルを見つけ出し(Explorationと呼びます)、井戸を掘って生産しなければ生産量を維持できません。従って、カナダの大手のオイル会社の場合、年間、数Billion$のお金を投資して新たにオイルを見つけ出し井戸を堀り、パイプラインで市場まで届けます。私の仕事は、現在の生産がどのくらい続くのか、そのコストはどのくらいか、そして様々なオイルの開発プロジェクトの中から当社のKey Performance Indicator (KPI)に合うプロジェクトのポートフォリヲを作り出し、C-Suitesに提出して許可をもらうのが仕事です。

 

KPIと言っても、その時のご時世により生産量であったり、投資効率(IRR, ROA)であったり、NPVであったり、Payback (投資回収期間)であったり、そのコンビネーションだったりと、オイル業界を取り囲む環境で適切なKPIが変わっていきます。現在は、オイル埋蔵量が世界中に豊富にあり、投資家は埋蔵量や生産量自体は余り評価しません。現在は、Free Cash Flowがいくら出せるのかが投資家から求められています。従って、FCF最大化のために、直近のプロジェクトを削りながらPortfolioを組んでいます。

 

年に3回提出するのですが、今回が2回目。この長期計画に基づき投資家に説明し、BODで許可をもらいます。

 

オイル価格が高騰していた2014年までは正にオイル上流事業はかなりの利益を出せましたが、オイル価格が停滞する現在はCash is Kingという時代で、えてしてどんぶり勘定のこの業界が一番苦手なコスト削減に取り込まなければ生きていけない時代になっています。日本のメーカーさんはここらへんは特に優れていると思いますが、ここはカナダ気質なのか、恐らくは業界気質としてとても苦手にしているところです。

 

カナダのオイル会社で日本人ながらこういう仕事をさせてもらえるチャンスは余り無いと思うので、このチャンスを(レイオフされるまで)楽しみたいと思います。

 

それじゃ、良い週末を。