カナダのリーダーシップスタイル
今日はカナダのリーダーシップスタイルについて書きたいと思います。まあ私なんかがカナダのリーダーシップスタイルはこれですとはとても言えないので、あくまで私の限られた経験上から纏めます。
昨今のCovid-19の為、アルバータ州のプレミア(州の一番偉い政治家)からTV放送を通じて直接話を聞く機会が増えました。また、オイル価格急落に伴い私の会社では、CEOや部門長などとビデオ会議をする機会が多々あります。例えばCovid-19に関しては、Premirから30分ほどかけてアルバータ州でのCovid-19の現時点での感染状況、シナリオ分析の結果、例えば、もし自宅勤務など何も対処しない時の新規感染者数や死亡者予測、緩やかな自宅待機のシナリオのそれらの数、厳しく自宅待機を行った場合のシナリオなど、専門家の分析結果を示し、それに基づき何故厳しく自宅待機を行わなければならないのかをきちんと説明してくれます。
会社の会議の場合、チャット機能でリーダーシップに直接質問を出来るのですが、毎回必ず出る質問に、投資削減に伴いレイオフを行うのかというものです。これに関しては、「当社は人材の面でも業界で競争優位を維持するため、投資金額に応じて人材の調整を必ず行います」と明確に答えます。悪いニュース程透明性を心掛けているように思いますし、それを聞く社員側も、そりゃそうだよなと納得しています。
簡単にカナダのリーダーシップを考える時その特徴と言えるのが、
- エビデンスベース、統計ベース、数字で物事を伝えます。
- 上記の統計から考えられる論理的な複数のシナリオ、分析結果を伝える。
- そして、リーダーが下した判断、その根拠を説明する
- 質疑応答、特に悪いニュースほど包み隠さず明確に答えます
- 話はかなり上手い。上手いというのは、心に訴えると言うよりは、理路整然と話が進められるという意味での上手い。
- 逆に、感情論に議論を委ねることは少ない
私は日本を離れて15年以上経っていますが、当時は、説明はエビデンスベースではない、論理的でない、透明性がない、話ベタというイメージでしたが、今はどうなのでしょうか。