日本領事館の集まりに参加させていただきました。
今日は午後から領事館の集まりに参加させていただきました。Alberta Japan Business Association主催の集まりで、何故か私もご紹介頂きました。
日系企業からは、日本のオイル会社、パイプラインやオイルWellに使われる鉄を提供する会社、エンジニアリング会社や銀行さんが多数参加されてました。あとは勿論、日本政府関係者の方。一方、カナダ側からは、アルバータ州のエネルギー大臣を始めアルバータ州関係者の方が主で、民間の会社は少数でした。個人的には、在オタワ(カナダの首都)の日本大使館から来られた経産省出身の方と話をさせて頂き、とても楽しい時間を過ごせました。私とは全く違う視点で物事を見ていて面白いなと思いました。また、沢山の純和食、日本酒なども堪能させて頂きました。私は日本には税金払ってないのに申し訳なし。
自分のキャリアでは、既にカナダで仕事をした期間が一番長く、現在のカナダオイル会社でのキャリアが今まで働いた4つの会社の中で一番長くなりました。日本の会社とカナダのオイル会社は、雇用形態、給料制度、働き方、そこで働く人のタイプも全てが違うので、今の会社に適応していけばしていくほど、日本の会社の方々とは考え方や話し方、振る舞い方まで変わってしまっている自分を再認識させられ自分自身で戸惑います。私の当たり前のことが彼らでは当たり前ではないし、その逆も然りです。悲しいようなもどかしいような、不思議な気持ちになります。まあ仕方なし。
ところで、ポリティクスの話題は出来るだけ避けたいのですが、個人的には見逃せない発言がありました。ある日系のジュニア系オイル会社(政府系)さんが、アルバータ州政府主導のオイル供給規制を支持するとエネルギー大臣の前で言われてました。アルバータではオイルはじゃぶじゃぶ出てくるのですが、昨今の環境問題の流れでオイルパイプラインを建設することがとても難しくなっています。したがって、アルバータ州内でオイル供給過多となり、州内のオイル価格下落となり、これを見かねたアルバータ州政府がオイル会社に供給制限を課し供給量を減らし、結果州内の価格が上昇し、州内オイル価格にリンクする州政府へのRoyaltyと呼ばれる税金みたいなのも増えて短期的には良かった良かったという規制です。こんな場で個人の意見をまるで日本の意見のように言うのはどうなんですかね。
カナダのオイル業界の者から言わせれば(外資かぶれとか言われちゃうけど)、政府がマーケットに介入して良いことなんてありえない(政府の方は政府のお仕事、民間は民間で頑張ろうという意味です)。例えば私の会社では州内のオイル価格のボラティリティが激しいのを見越して数Billion$をかけて米国のRefineryに投資をしているわけです。したがって、アルバータ州内のオイル価格が上がろうが下がろうがValue Chainで利益を享受できます。しかし、このような競争ルールを政府が変えてしまうのでは、次に何をするか予測できないのでそんな地域に投資ってできないんです。しかも、上記のジュニア系のような生産量が小さい会社には特例として供給制限はかからず、そのしわ寄せは大手のオイル会社に乗っかるわけです。日本でもあるかと思いますが、環境変化に対応できない上記のジュニア系はこういう機会に大手会社に買収されるという合従連衡が起き、業界が効率的になるわけです。でも、このような政府介入が起こると競争が制限され、本来買収されるべき小規模経営の会社が延々と非効率的な事業を細々と続けることを許してしまいます。
今回は余りにも目に余ったので普段は避けたいポリティクスの話をしてしまいました。以後気をつけます。