カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

カナダへの投資は確実に減っている

今週は、前職でお世話になった方々とビデオチャットする機会がありました。一人はオーストラリアでオイル会社を、そしてもう一人はヒューストンでオイルマーケティング会社で社長さんをされています。皆さん偉くなられていてとても嬉しいです。

 

話の中で一番の驚きは、景気の認識の違いでした。カルガリーは2014年年末のオイル価格下落依頼、街全体がレイオフの嵐が止むことはなく、オイル業界は超不景気というのがカルガリーオイル業界の共通認識かと思います。しかし、彼らは違いました。彼らの認識は、オイル業界は今年年初まで景気良かったよねという理解でした。

 

下記は過去10年のUSのオイル価格の推移です。

 

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オイル業界は今現在は$20近辺まで下がり苦しいのは当然なのですが、2016年から今年年初までは確かにUS50以上をキープしていました。実際に私の会社でも年間数ビリオンの利益を出していました。従って、世界のオイル業界自体は2014年以前のバブルまではいかなくても、そこそこ良い時期であったはずです。しかし、カナダのオイル業界はレイオフの嵐、これは世界のオイル需給や世界のオイル業界のもんではなく、カナダの政治的な問題なのです。これに嫌気をさしたカナダのオイル会社はカナダ、特にアルバータへの投資を大幅に減らしたからです。そして残念ながら、今後もこの流れは変わりそうもありません。

 

カナダは環境団体やファーストネーション(原住民)の反対が強く、アジア向け輸出のための西海岸向けパイプラインや、その他パイプラインの建設が反対されていています。仮に、連邦政府から建設許可が出ても、たった一つのファーストネーションもしくは環境団体が訴えを起こし裁判で負ければ建設停止となってしまいます。民主主義とは本来多数決のはずですが、これではカナダ国民全員一致の許可が出ないと建設が出来ないことになります。従って、度重なるパイプライン建設停止によりオイルガスを市場に届けることができなくなり、米国のオイルガスに比べて大幅に安い価格でしか売れなくなっています。更に、2回連続でLiberal Partyが選ばれたこと、アルバータ州政府の減産方針により、外資及び投資資金がアルバータから撤退していきました。これにより、世界中のオイル業界が利益を上げる中、アルバータのオイル業界だけが大不況という形になってしまったのです。正確には、利益は上げていたけど、アルバータには投資しないということです。

 

自宅勤務になり全ての会議はVideo Chatになりました。そしてこのVideo Chatで世界中の人と繋がれます。自宅勤務のお陰で昔の友人とも話が出来て、これは自宅勤務になった良い所です。