カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

M&Aというお仕事

現在のオイル会社のBusiness Development 部門に、何故かBusiness Development Engineer というタイトルで入りました。Undergraduate(学位)は理工学部ですが、エンジニアとしては働いたことがないので、オファーの交渉時にタイトルをAnalystに変更してくれとお願いしたところ、Engineerの方が給料レンジが高いからEngineerでという経緯でこのタイトルが付きました。今思うと変わった上司で、こういういい加減な?決め方は一般的ではありません(笑)。私の仕事は、オイル資産や会社の買収、保有している資産の売却が仕事です。

 

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具体的な仕事内容は、資産や会社を売却したいとの情報を主に投資銀行から入手します。まずは守秘義務契約を結び、その後データルームが開かれます。そこに、関連するGeologist、エンジニア、Landmanなどを率いてデータルームに乗り込み、プレゼンを聞きDiscussionをします。その後Virtual Dataroomと呼ばれるネット上でのデータルームにアクセスし、地質関連、エンジニアリング関連、ファイナンス関連などの情報にアクセスし、それらの情報をGeologist, Engineer, Tax関連のプロ、Economist, Landman、マーケター、弁護士など其々の分野のプロが夫々の分野の分析を行い、その分析結果を持ち寄り、買収する価値があるのかどうかを検討し、我々Business Development Team (BD)が最終的な経済性をはじき出し、当社の戦略と合致することを確認し、Bid価格を計算、Management Presentationを行い、了承を得たらBidを出すというプロセスになります。

 

私は元々オイルの人間ではないので、当初は其々の分野のプロが何を言ってるのかさえ分かりませんでした。専門用語がわからないだけでなく、英語自体も余りよく分かりませんでした。分からないづくしです。

 

MBAも取得していたので日系企業の中では英語はかなり上手い方でした。TOIECなら満点に近い点数を取れますが、日系企業時代に聞いていた、外国人用に気を遣ってくれた英語と違い(当時はこの事に気づきもしませんでしたが)、彼らのチームの一員として聞く英語はスピードも内容も全く次元が異なります。よく知識人と呼ばれる人が、子供時代にしっかりとした日本語力をつけることが大事、英語はその後何とでもなるなんてよく言いますが、大嘘ですね。本当の意味で海外で仕事したことないからこんな悠長なことが言えるんです。英語は子供時代にやるべきです。私のように大学卒業後に初めて生の英語に触れた人間は、海外でプロフェッショナルとして働けるレベルの英語は相当な言語センスが無いときついです(私は頭が数学なので語学センスがない方です)。もしお子さんが将来海外で働かれるなら、出来るだけ小さいうちから生の英語を勉強する事お勧めします。

 

話を戻すと、BDの仕事はどこかに専門分野を持ってそれを分析するというよりは、其々の分野のプロフェッショナルを纏め、プロジェクトをマネジメントしてC-Suites(CEO, CFO, COOの略です)にプレゼンするのが仕事です。私のような言葉が不自由なものには一番最悪の相性だったと思います。それでも、戦略コンサル時代の分析やプレゼンスキル、MBAファイナンスを徹底的に鍛えたのでこれらをフル動員して何とか自分の立場を確立することが出来ました。こんな感じで最初の数年は買収案件を中心として進んでいきました。

 

 

明日は資産売却の話。