カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

外資コンサルvs駐在員vs海外企業で働く

 

こんにちわ。既にクリスマス休暇に入ったものの、今年はメキシコのビーチに遊びにもいけず、家でゆっくりと時間を過ごしています。さて今日は、海外環境で働く事について私の実際の経験をシェアします。今後の進路を考える方のお役に立てればと思います。長文になりますのでお忙しい方はご遠慮ください。

 

海外環境で働くには主に3つのオプションがあります。1.日本にある外資系企業で働く、2.日系企業の駐在員として海外に行く、3.海外企業の本社で働く。私は東京にあるドイツ系戦略コンサル、日系企業の駐在員としてベトナム勤務、カナダのオイル会社の本社にて働くという上記全ての経験をしました。

 

1.日本にある外資系企業。私はドイツ系のコンサル会社で働いていました。このコンサル会社での経験やスキルはその後の私のキャリア形成にとても役に立ちました。ここで培った分析力やプレゼン力は他の業界では得難いものです。現在私がオイル会社で働けているのも、ここで培った分析力があるからです。ただし、コンサル会社の問題点は、若い間に経営の中枢にかかわる仕事ができるので短期間でのスキルアップは出来るのですが、その後コンサル会社で上に上がれば上がるほど仕事がつまらなくなるという点です。若いコンサルタントが作った資料をパートナーレベルは要所要所でコメントする、クライアントとのリレーションシップという名の営業がほぼ全てとなり、若い間に急成長出来るのに対し、30代後半でほぼキャリアとしては上がりです。勿論一部の人は他の外資系の事業会社に移ってそこでの経営を任されるという人もいるにはいますが、コンサルは実務経験を持っていないので経営を任される人というのはごく少数です。外資コンサルに入れるスペックを持っているのであれば、日本の商社の方がキャリア全体でみると良いと思います。勿論コンサルのインテンシティや成長機会は日本の会社である商社では経験できませんが、長い人生のキャリア全体でみると、私の子供であれば商社を薦めます。簡単に言うと、外資コンサルでは長期のキャリアプランが描きずらく且つ、自分の時間や能力のインプットに対し、長期で見た場合給料は割に合いません。

 

2.海外駐在員。これは一般的には美味しい仕事です。美味しいというのは単に、仕事のインプットのわりに、手当や給料は格段に高いという意味です。手当により給料は2倍3倍になります。但し、海外駐在に対し、海外でバリバリ働き世界で大活躍したいという夢を重ねるのであればこれは難しいのが実情です。社内でのローカルスタッフや顧客との会話は英語でも、上司は通常日本人になりますから社内での主要な人や本社との会話は日本語になります。そして、実は顧客との会話よりも上司や本社が自分の評価や今後の進路を握ってますからここが大事なります。従って、場所だけ海外、実情日本村というのが殆どの駐在員が経験することです。

 

3.海外企業の本社で働く。これは私の現在のパターンです。これは正に、資本主義の荒波に自らを投げ出すことです。勿論国や業界にもよりますのであくまで私の場合では、カナダのオイル会社は優秀な人材が世界中から集まってきて人の質は高く、仕事の進め方は合理的で生産性は高い、当然社員である状態を維持するには競争力が求められます。MBAを取ったり、その他資格を取ったり、常に勉強し続ける必要があります。一方、給料レベルは格段に高く、休暇も多い。私の場合、有給休暇だけで6週間はありますし、当然全て消化します。一方、会社は合理性を追求しているので、パフォーマンスが低い社員は即座に切られ、どれだけパフォーマンスが高くてもオイル価格が下がればレイオフになります。また、私のように自分の会社が買収されてしまえばレイオフも目の前に迫っています。正に資本主義です。利益に貢献できる人間には餌をたくさん与え、貢献できない人間には組織から蹴落とします。ただ、日本にある外資日系企業の駐在員として働くのと決定的な違いと私が思っているのは、家族への影響です。海外企業の本社で働くという事は実質的には移民を意味します。海外企業が日本人にワークビザを発行するという事はよほどの人でない限りありえないので、その国で働けるステータスを持っているという事、つまり永住権保有者もしくはカナダ人だけです。移民という事は、子供は一時的ではなくカナダの学校に行ってカナダ人として育つわけです。私は英語を母国語とする人の優位性を日々感じているので、子供をカナダ人として育てるという意味で、海外企業の本社で働くということに家族の為にも強い意味を見出しています。日本にいる方は気づきずらいと思いますが、英語を母国語とすることは本当に有利です。英語が母国語であれば世界中で自分の言葉で働ける、圧倒的な量と質の情報にアクセスできる。勿論その情報を活かせるかどうかは自分次第ですが。一方、日本で子育てするというリスクはとてもつもなく高いと私は思います。GDPの200%を超える借金、高齢化社会により更に悪化する財政、日本語というローカル言語しか話さない社会、私は日本は好きですが明るい未来が見えません。社会全体が地盤低下する環境に子供の未来を託したくはありません。

 

それぞれ上記の3つのオプションで何が自分に響くのかは当然その方次第です。私の場合は、私自身、合理性のある環境、高い給料、休暇の代わりに、不安定は受け入れるという冒険気質なのでこの海外企業で働く、資本主義に見を投げ出すことから自分を止められません。ただそれと同じくらいもしくはそれ以上に、子供をカナダ人として、英語を母国語とさせる環境を与えるという事にとても価値を見出しています。

 

私の経験が今後のキャリア形成にお役に立てれば幸甚です。