カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

外資から見たトランプ大統領

ドナルドトランプのニュースは未だに毎日目にしたり聴いたりすると思います。ただ日本にいると、トランプは実際に現地の人からどんな風に見られているのかわかりづらいと思います。カナダのオイル会社で働くプロフェッショナル層がどうトランプを見ているのか、その実情を書きたいと思います。

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報道によると、人種差別主義者、女性差別者、有色人種に職を奪われた白人ブルーカーラー層からの熱狂的支持を持つ、ディールの天才、性格破綻、予測不能。CNNや有識者と呼ばれる人たちは、TVでもトランプ大統領を批判しています。

 

会社でもトランプ大統領の話題はよく出ます。ここでも、トランプ大統領の評価は大きく別れます。他の政治家と対象的なのは、好きでも嫌いでもないという中間層は余りいないことのように思います。

  1. トランプ大統領、大嫌い。人種差別主義者で、ポルノ女優を一晩買ったり、大統領としての品位が全く無い、こんな最低で品位の低い大統領は前代未聞という、マスコミが報道する通りの見方。超ざっくり言うと、若い人にこの考え方が多い、特に圧倒的に女性。彼女たちの話し方を見ると、生理的にトランプを受け付けないのではないかと私は想像しています。今の若い世代のカナダ人は人種や性別差別は最低のこととして教育を受けています。リベラル風の考え方が強く、教科書でそして学校で習ったとおり、それに逆行するトランプ発言は毛嫌いする若い女性は多いです。
  2. トランプ大統領に激しく共感。面白いのは、私の会社でトランプ大統領を支持するとはっきり言う人は皆無です。一人もいません。でも、言葉尻からわかります、かなり共感しているなと。彼は人種差別、性差別主義者とカナダ社会でも共通認識になってますし、実際にそうなのでしょう。従って、その人を支持したり共感するとは公の場では言えない雰囲気があります。でも、実は、綺麗事ばかりを並べる政治家に辟易した、特に年配の人がトランプ支持者は多い。カナダでも、続々と入り込んでくる移民、難民に強い危機感を持つ人は多い、そして白人がマジョリティでなくなってしまう恐怖を持つ人は少なくない、そして移民・難民はNet Taker (税金を払うより社会福祉を通して受け取る額のほうが多い人たち)で自分たちの税金を食い散らかすと考えてます。従って、トランプの行うメキシコ不法移民の強制送還の何が悪いと思う人たち、決して言葉に出しませんが、言葉の端々から共感を感じ取れます。また、北米の人は、文化的背景として、トランプのような歯に衣着せぬマッチョな発言をエンターテイメントとして大好きな人が多いのも見逃せないポイントです。キャラとして好きという人、かなりいると思います。
  3. 政策を評価する人。米国の法人税を削減しています。そして、ビジネスをしやすい環境を作るべく、環境規制を含む様々な規制を撤廃しビジネス促進策を打ち出しています。一方カナダは環境規制がより厳しく、政府もリベラル主義で法人税が相対的に高くビジネスが難しい環境になっています。従って、カルガリーは大不況であえぐ中、ヒューストンにお金と人、そして会社までもが移動しています。決して小さい流れではありません。そしてこの流れは加速しています。トランプ大統領の主義主張はさておき、カナダオイル業界が沈む中、実際に経済を好転させているトランプを評価する声は、男性のエグゼクティブ層やプロフェッショナル層に多い考え方です。

カナダや米国のマスコミでさえ、主に上記1のリベラル風、教科書的な視点で報道するのを沢山見ます。トランプの人種差別、メキシコ不法移民の強制送還、不法移民の泣き叫ぶ子どもたちなど、ある意味キャッチーな報道をして、上記2と3の層を報道していません。従って、これらを通してしか現地の情報が入らない日本のマスコミには、現地の人が本当はどう思っているのかに気付きずらいのかもしれません。これらの層は決して表立っては支持を表明しません。トランプ支持者は日本のマスコミが分析する、非白人に職を奪われた白人のブルーカラーが主な支持者という味方はかなり偏っていて、法人税を下げ規制を撤廃する手腕を評価するエリート層からも多数支持を受けています。

 

私の周りを見ていると、トランプの再選はかなり確度が高いと思います。みなさんはトランプ大統領、どう思いますか?