国家公務員のキャリア、ノンキャリについてカナダ視点で考える
国家公務員は、国家一種の試験に合格したキャリア組とその他の職員であるノンキャリ組に分かれると言われています。キャリアは若く出世して、ノンキャリはどんなに頑張ってもキャリアのようには出世できないという仕組みです。従来より私は変な制度だな、日本の学歴社会の典型的な悪い事例だなと考えていました。この問題を、カナダ視点で考えていきます。
カナダのエンジニア資格取得の為に、9月にプロフェッショナル倫理と法律についての試験を受けました。これによると、人種、年齢、文化的背景、宗教、性別により人の待遇を変えることは差別となります。一方、学歴や職歴により待遇を変えることは差別ではなく、区別としています。実際に、カナダのエンジニア系の職種でいうと、以下のヒエラルキーが明記されています。
エンジニア エンジニアカナダが認めたカナダの大学のエンジニア学部を卒業、もしくはこれに相当する学歴を有し、4年相当の職歴且つ、倫理・法律の試験に合格したもの
テクノロジスト 高校卒業後、2年間のテクノロジストの教育を受け、テクノロジスト団体の承認を受けたもの。どの学校のテクノロジストコースかの指定はありません
そして以下、テクニシャン、トレード、レイバー という区分けになっています。
日本は学歴社会と言いますし私もそのように考えていましたが、エンジニア系に関してはカナダより日本よりも学歴社会もしくは資格社会と言えると思います。
この視点で考えると、国家一種に合格したからキャリア組、それに合格していない職員はノンキャリ組というのは、カナダのプロフェッショナル倫理法律の視点でみると、学歴による待遇の区別で決して差別では無いと言えます。
日本は学歴社会、こんな学歴社会は日本くらいだ、と大した根拠もなく思い込んでしまうことがありますが、学歴社会なのは日本だけではないかもしれません。一つの視点としてご紹介しました。