カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

オイル価格が上昇してもレイオフは止まりません。これが欧米です。

昨日、私と同タイミングでレイオフされたディレクターの方とビデオ会議をしました。彼は前のオイル会社で私のメンターをしてくれていた人ですが、残念ながらまだ仕事は見つかっていません。しかし、彼は54歳だそうですが、既に4億円ほどの金融資産を持っているので経済的には働く必要はありません。ただ、奥さんがまだ45歳でまだ働いていて、娘さんも13歳なので、教育上お父さん働いていたほうがいいよねということで仕事探しをされています。

 

彼によると、私の前いた会社ではまだまだレイオフは続いているようです。現在オイル価格はWTIで$80前後にいてオイル上流会社はボロ儲けです。カナダ原油の生産コストは中東原油と比べると当然高いですが、それもでWTIで$40あればIRR 10% のリターンは確保できます。勿論それぞれのオイル資産によりコスト構造は違いますが、会社レベルでザクッといえば、$40でなんとか株主利益を守れる、$50あれば十分なリターン、$80といえば原油はBlack Diamondと呼ばれますが、まさにお金はジャブジャブ地下から吹き出してきます。想像してください、カナダの大手オイル会社であれば、一日の原油生産量が仮に 1 million barrel per day だとすると、このオイル価格ではコストが$35だとするとBarrelあたり$45の利益が出ます。つまり、一日で$45 millionが地下から吹き出してきます。10日で$450 milllion, 100days, $4.5 billionの利益となります。

 

でも、株主利益最大化を目指す会社としては、レイオフを進めるんですよね。これは資本主義社会の悲しい現実です。一方で、利益を出すためにたゆまぬ努力を続ける会社は株主にその利益を還元するので、私達の年金資産は大きく膨れ上がります。

 

このシステムが良いかどうかはおいておきましょう。解釈はそれぞれ人によって違うでしょう。でも、こうしないと国は発展しない、日本のような早期退職者募集なんて生ぬるいことをやっている会社及び社会はこの競争には勝てないということだけは確信を持って言えるのです。雇用、競争の欧米かは、良いか悪いかではなく、必要条件です。ただし、十分とは言えませんが。

 

レイオフされた中には私の知っている名前もたくさんあります。そのうちの何人かは復活するでしょう、でも、何人かは次の仕事を得られずリタイヤせざるを得なくなるでしょう。それでも、これまでたくさん稼いでいればそれで食べていける人もいるし、食べていけない人もいる。色々です。