デイトレーダーの本のまとめ
今日12月24日は半日で帰ってきました。年明けすぐに今後10年の当社投資計画を提出するので、そのドラフトを偉い人達に事前に説明し、お昼に会社を出ました。来年1月2日までクリスマス休暇です。
さて先日アマゾンで買った、Andrew Aziz氏の "Day Trade for Living"を読み始めました。Day Tradeを始める初心者向けの本ですがとても分かりやすく纏めてあるので、私自身への備忘録としても下記内容を纏めてみました。まだ半分も読んでいないのですが、素人の私には盛りだくさんながら納得できる内容ばかりです。
- Day Tradeは年間$100,000以上の収入を得られる仕事。他の仕事で言えば、医者、弁護士、エンジニアと同等の収入を得られる仕事。従って、それなりの知識、スキルが必要。マーケットに出る前に沢山勉強しなさい。Day Tradeで勝てるのは全体の15%、85%は負ける。相当な準備が必要。
- Day Trade、Swing Trade、長期投資は全く異なるもので求められるスキルも全く異なる。Day Tradeは投資ではないので、Appleの株価が今後上がるのかどうかはDay Traderの著者には全くわからないし興味もなし。
- Day TradeはProbability Game。負けるTradeも含めて全体で勝てば良い。但し、Profit:Loss > 2:1の見込みがなければTradeをしない。
- 従って、Tradeを始める前に、どのStockを見るのか、Profit Lossはどれだけ期待できるのかのStock のスクリーニングが何より大事。
- どんなにDay Tradeのスキルが高くても、選んだ株自体が持つVolatility以上の利益は上げられない。株のスクリーニングが何より重要
- 我々のような個人Day TraderがファンドなどのInstitutional Traderとの勝負を避けなければならない。
- Screening Criteria: 中規模サイズの株、Volatilityが高い、Floatは10million - 500mmレベルで十分なLiquidity( 流動性), 一日500k 以上のTrading Volume、昨日の高値よりPremarketで既に$1以上のGap upがある株を狙う。決算発表や新商品開発、レイオフのニュースなど、何らかのFundamental Changeに関わるニュースがある株価を狙う。
- 小規模サイズの株はLiquidityが低いのに株価のVolatilityが余りに高く且つコンピュータアルゴリズムにコントロールされていてDay Tradeのプロでも余りに危険、大規模サイズの株はInstitutional Investorの主な主戦場で個人のTraderはここで戦うべきではない。従って上記の中規模サイズを個人Trader (Retail Trader)は主戦場とすべき。
- マーケットが開く前に上記を満たす株を事前にリストアップし、そこから最大3つまで絞る。そして、期待収益、Stop Lossを事前に算出し戦略を立てる。マーケットが開けば、その戦略をただただExecuteするのみ。
- 一回のTradeで取るべき最大損失リスクは、株に費やす額(Account size)の2%まで。例えば、$20,000, Account sizeであれば、これの2%は$400、これが一回のTradeで取れる最大リスク。もし株価$10.0でエントリーして、損切りラインを$9.50 とするなら$400/$0.5=800株までしか購入してはいけない。
- 損切りライン?(Stop Loss)はエントリー前に必ず決めておき、そこを割ったら絶対に引き伸ばしてはいけない。これはかなり強調されてました。
- Short は短期で利益を出せるがLongに比べリスクが高い。例えば、$10の株価でLongした場合、一株あたりの最大リスクは$10だが、Shortの場合、$20にも$30もしくはそれ以上にもなる。Shortは特に慎重に。
- Traderの仕事は株の売り買いではない。実際の株の売り買いはBrokerが行う。リスク管理こそがTraderの仕事。
きっとTradeをやってる方には初歩の初歩なのでしょうが、私のような素人にはとても面白い内容でした。また、このAziz氏は元々ChemistryのPhdを持っている方で元々Day Traderでは無い方です。従って、天才肌というよりは、Day Tradeという仕事をきちんと準備、分析し、Probability Gameとしてエンジニアのようなアプローチでされているのが私にはとても納得感があります。
元々は日本から本を取り寄せたかったのですが、日本からだと時間がかかるので仕方なくカナダのアマゾンで本を買いました。ただ感想としては、MBAでファイナンスを習ったときにも同じように思ったのですが、日本語で習うより英語のほうが表現が直接的で分かりやすい。マーケットサイズが日本より遥かに大きいためか、もしくは元々Day Tradeやファイナンス理論は北米が進んでいるからか、英語の本のほうがよりロジカルで私のような素人には分かりやすいと感じています。
それじゃ、よいクリスマスを。