カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

寄付に対するカナディアンの考え方

今日は、私の同僚の寄付に対する考え方について。

 

一昨日は私の部門のマネージャー以上が集まる四半期全体会議がありました。マネージャーといっても200人以上が集まる大会議となります。終日会議なのでプレゼンする人は15人は超えるので、一人の持ち時間は15分から20分、プレゼン終了3分前からいつも通りカウントダウンが始まります。そしていつもは制限時間でマイクのスイッチが切れるのですが、今回は新ルールで一秒でも持ち時間が切れれば$500の寄付となります。

 

昨今のESG(Environment, Social, and Governance)の流れを流石のオイル会社も無視できなくなってきました。ESGスコアの低い会社は会社活動の根底となるFinancing自体に問題が出てくる可能性があるからです。そこで私の会社もこれまで社会貢献の一環としてかなりの金額を寄付していたのですが、これからは、社員が寄付を行うと、同額を会社がその団体に寄付をするという制度を立ち上げました。これによって、社員それぞれの寄付活動をより活発にし、会社と社員一丸となってより良い社会に貢献し、ESG観点からの評価を高めようという狙いがあるのだと思います。

 

この制度導入に伴い、プレゼン後一秒でも超えたら$500の寄付というやり方が取り入れられました。オイル会社の上の方であれば年収数ミリオンですから$500なんてなんとも無いのでしょうが、私レベルではこの金額を寄付するとなると、ちょっと妻の許可をもらってからとなります。しかし、プレゼン毎に皆んな喜んで$500づつ寄付をコミットするんですよね、家族の承認なく。これが私には不思議で、会議の後同僚にこの話をしたら、$500寄付なんて、毎月$40程度なんだからなんとも無いという一様の答えなんです。それどころか、今回の会社の制度によって、自分が寄付をすればするほど会社がマッチしてくれるので、Great Opportunityなんて皆喜んでいます。

 

あー、何かこんな話しなければよかったなんて思ったのと同時に、私も年間ある程度の寄付はしているつもりですが、カナダ人の寄付への寛大さというのは、私のような税金ばっかり取られて困ったなーなんて思っている私利私欲にかられた人間は学ばなければいけない精神だと思った次第です。