カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

自宅勤務とオイル価格

自宅勤務に入り既に4週間目に入りました。私の会社だけでなく、カルガリーの会社はどこも同じようなものだと思います。会社からモニターを2つ持ってきているので、IT環境や自分の仕事をすすめる上では問題ないのですが、気分は晴れやかとはいかないものですね。毎朝9時にSkypeを使ってチーム会議をするのですが、チームの皆んなもどんよりしている感じです。外に出れるのは食材の買い出し及び近所のお散歩のみです。少なくともあと一ヶ月はこれが続くので、できるだけこの環境を楽しめるように前向きに考えたいと思います。

 

これに加え、OPEC+が減産合意しましたが、4月5月の需要減は30mm bbls per dayと言われており、減産規模は9.7mm bbls per dayと大した規模ではありませんでしたね。米国は法律上減産させることは出来ないし、そもそも政府が民間事業に介入して長期的に良い結果を生むことはほとんど無いので、米国が減産に参加することは何かウルトラCでも無い限り無理でしょう。トランプが米国も減産したといっているのは、あくまでNatural Declineと呼ばれる原油の自然減(生産を続けると地下の原油を地上に押し上げる圧力が自然に減退し、生産量が自然と減る)や採算の合わない老朽化した井戸の生産中止であって、これにロシアやサウジが納得できるものではありません。だから、これ以上ロシアやサウジが減産することは当分は考えづらい。そもそも、サウジは生産量が12mm bbls per dayですから、これ以上の減産は物理的にも困難でしょう。また、ロシアは減産しすぎてオイル価格が米国タイトオイルの損益分岐点を超えてしまって米国オイルが復活するのは嫌でしょうから、ロシアは何とか儲かるけど米国オイルは採算が合わないという価格帯であるWTI US$40近辺が心地の良い価格帯でしょうから、これ以上の大幅減産は難しい。

 

あと、減産と簡単に言いますが、ロシアのオイル生産井戸は老朽化している井戸が多く硫黄分が多いいわゆるSour Oilと呼ばれるもので、一旦生産をやめるとReservoir(オイルが入っている地下の層)が傷んでしまい、価格が上がったからと言って元通りに生産するのは難しいので、技術的にもそんなに簡単に減産出来るわけではありません。従って、需要はすぐには上がらない、これ以上の大幅な減産は難しい、つまりオイル価格は暫く停滞というのが常識的な予想と思います。まあ、オイルは政治絡みもありますから、絶対は無いのですが。そもそも、それがわかれば私も200万円もオイル株で損してないから説得力ゼロですね。

 

それじゃ。