カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

米国株、カナダ株とオイル

ある友人からリクエストがあったので私の株式投資の現状とこちらの状況について書きます。こんな素人の見解が役に立つかはわかりませんが、まあ一つの味方として。

 

私の金融資産はこれまで略9割米国とカナダの株式インデックスで運用していたので、過去10年資産は増えました。ただ、今年の1月に略全てを売却したので現在はキャッシュポジションです。タイミングを3月の暴落以来ずーっと見ているのですが、まだ購入するに至っていません。ここカナダでは自分の年金は自分で運用します。自分の老後がかかっているので相当自分を納得させるものが見えないと始められません。

 

運用先として考えているのは、米国とカナダを主にしようと思います。以前お世話になった商社など、私は商社マン及びそのビジネスモデルが大好きなので、商社株にはとても興味はありますが、日本の国債の対GDP比を考えると、日本関連株は手を出しません。これまで、日本のバンカーの方とも話をさせて貰う機会が何回かありましたが、日本円は大丈夫という説明に私は一度も納得したことがないからです。

 

日本はおいておいて、過去20年のデータを見ると、やはりトータルでは米国の圧勝です。では、S&P500のインデックスにしておけば間違いないのかといえば物事そう簡単には行きません。例えば、同インデックスの推移を見ると、2000年時点の株価水準が上がり下がりはありますが2012年まで続いています。つまり、12年間キャピタルゲインはゼロ。最悪です。米株が良いと言われているのは、過去20年間で直近の8年間だけと言えます。そうかと言って、GICなどの定期貯金やボンドで回すほど私は謙虚な人間ではありません。

 

そこで、結論としては米株はVOO(S&P500のETFでUS$建て)、VFV(S&P500のETFカナダドル建て)、そして自分で選んだカナダの10株を中心に回そうと思っています。まず、米株は前述のように常時ではありませんが、歴史的にはパフォーマンスがカナダよりも高い、そして、私は米国株を余り知らないのでIndexベースでコストの安い上記2つを選ぼうと思います。なぜUS$建てを選ぶかは、Taxの問題です。カナダには年金運用のためのRRSPという口座を持てるのですが、これは米株を保つ場合、US$建てでないとWithholding Taxという特別なタックスが米国側よりかかるためです。また、以前のブログで載せたNorbert's Gambit というやり方で、為替手数料を略ゼロで、US$とカナダドルを変換できるからです。実際に、$300k程US$に変換してみましたが、手数料は$100かかっていません。驚きです。

 

そして、カナダの会社はほんの少しですが馴染みがあるので自分で選んで見ました。選び方は至ってシンプルで、カナダのメジャーなインデックスであるTSX/S&P500の構成銘柄で時価総額Top30程見て、過去のパフォーマンスを見て10社に絞り込みました。下記のPortfolio Visualizerの中にある、Backtestというツールを使って2000年以降、2008年以降、2016年以降など、様々な時間軸でパフォーマンスを見てみました。これはかなり使えると思いますので紹介します。これは株価に加え、Dividendも勘案するTotal Returnだと思います(間違っていたら是非ご指摘を)。因みに、ここクリックしても私には何の利益関係はないのでご安心を。

https://www.portfoliovisualizer.com/backtest-portfolio

 

また、私はオイルの仕事をしていますが、オイルは先日$20k損失を出したのと、ファンダメンタルが厳しい、そして私の仕事がオイル関連なので仕事と投資でオイル偏重を避けるためにオイルの投資は控えめにしようと思います。ファンダメンタルについてサクッと書くと、2014年のオイル暴落はUS Tight Oilの生産性向上及びOPECが纏まらないというSupplyサイドの問題でした。従って、OPECが合意すればある程度暴落からは回復できました。でも、US Tight Oilが生産増やすので、投資のBreakeven CostであるUS$50近辺で行ったり来たり。しかし、今回の問題は、Supply , Demand, Inventoryという三重苦です。2番めの需要回復ですが、私自身の行動、つまり自宅勤務が始まって早2ヶ月以上、そして現在職場への復帰の話も出ていますが、以前のようにチーム全員が同時に出社するということは当分ないかなと思います。どこも同じようなものでしょうから、V時回復とはいかないと想像します。今のオイル価格は歴史的にも特別低いですが、今お金を入れるときではないと思っています。

 

そうそう、JETSという主に米国の航空会社を集めたETFに興味を持っていたのですが、これは今じゃないなと今は考え直しました。マスコミは失業してお金に困っている人を報道していますが、実はその影でお金がどんどん貯まってるけど使いみちのない人って実は結構いると思うんです。普通に大企業の方など皆んなそうだと思います。美味しいレストランに行きたいけど行けない、海外旅行に行きたいけど行けない。自宅にいるからお金は食費くらいで使い道ない。実際に先日のCEO会議である社員が、今社員に求めるのものは何ですかという質問がネットで出ました。それの答えは、「バケーション取ってくれ」というものでした。これ実は経営的には笑えそうで笑えないマジな話なのです。カナダ大手のオイル会社だと人それぞれ違うのですが、年間で一ヶ月半から二ヶ月半の有給があります。今バケーションとってもどこにも行けないので、誰もバケーション取っていません。恐らく、パラパラと出社が始まるのが6月初旬だと思うので、7月以降、一年分に使う分のバケーションを皆んな一気に取り始めるはずです。コガネは貯まってるでしょう。だから、当初は、超低迷のJETSを買おうと考えていたのですが、昨今のディスカッションから想像するに、海外旅行行ったらきっと社内規定で2週間の自宅勤務だなと。このような社内ルールは私の会社だけでは無いでしょう。そうなると、この辺の層は、お金があっても時間が取れても、ワクチンが開発されて普及しない限り今年は海外旅行に社内規定上行けない。つまり、今JETS買っても暫く塩漬けかなと、まあ飽く迄想像です。

 

私の選んだカナダ株がカナダのインデックスを超えるということが今後2年で確認できれば、米国も個別株にシフトしていきたいと思いますが、一気に個別株だけにするほど自分に知識があるとはとても思えませんので、米国はインデックスで暫くは回します。

 

ポートフォリオが略決まったし、まずはUS$にも一部変換済みで、あとは買うだけです。でも、今が買いとはとても思えないんです。確かに今日のS&P500の価格を見ると、ピーク時の12%安です。しかし、V字回復でないとすると、12%ってそんなに安いのかなと疑問に思ってます。

 

私の過去のM&Aの経験からすると、投資は投資先のQualityと購入価格が全てだと思うので、買うチャンスは必ず来ると思うので、それまでは投資先の勉強を継続しておきます。