ここがおかしい日本の会社
今日は勇気を持って、日本の会社でおかしいと思うところを書いてしまおうと思います。出来るだけネガティブなことは書かないように心掛けているのですが、日本企業に復活してもらいたい、日本愛から書いているのでご了承ください。よくありがちな、海外の会社で働いていて、海外の会社とは単に違うから日本の会社がおかしいということでなく、日本、カナダの会社で働いてみて、一応自分なりに考えてみてもやっぱりおかしいと思うことを書いてみました。
- 終身雇用はやっぱり無理だ。マーケットは日々動いています。マーケットが動けば会社のビジネスモデルも変化せざるを得なく、当然社員に求められるスペックも異なります。その度に社員を教育し直すなど効率的ではありません。また、その会社で能力を発揮できる人、発揮できない人当然います。終身雇用はマーケットの原理に外れます。マーケットの原理に外れたことを無理やり押し通そうとするから無理が生じます。もう終身雇用というゴリ押しはやめるべきだと思います。終身雇用ということは、裏を返せば社外の優秀な人材を採用できないことと同じことです。能力を発揮できない人に給料を与え続け、能力を発揮できる人を雇わない、それでは日本企業は競争力を失い続け、会社自体が共倒れになってしまうのが心配です。
- 人事異動なんておかしい。何故次の仕事を人事部や上司が決めるのか。そんな権利は会社にあるのはおかしい。やりたい仕事があるなら、そこに応募して応募者の中からベストな人を採用すれば良い。これは外部からの候補者も含めて。それを、会社側が次の移動先を自分の知らないところで決めて、来月からここの部署に移動してくださいなんて、社員は奴隷ではありません。そして、サラリーマンでなくプロフェッショナルと自分を呼ぶのであれば、自分の仕事は自分で決めて、競争を勝ち抜いて得るものです。他人に決めてもらうものではありません。自由がある分、逆に厳しい世界ですが、社内で厳しい競争を行っている組織と、競争原理が働かず人事が次の移動先を決めていしまう、組織の競争力は歴然と違います。
- 転勤の辞令なんておかしい。これも2と同じ理屈です。勤務地を何故自分で選択できないのか、社員は会社の奴隷ではありません。そこでそのポジションを欲しい人で競争すれば良い。応募者が少ないなら給料を上げれば良い。全てはマーケットの論理を働かせれば良い、とてもシンプルな事です。
- 早く帰りたければ、帰れば良い。年休使いたければ使えば良い。パフォーマンスさえ出せば、早く帰れば良い。良い仕事をしているのであれば、堂々と休みを採れば良い。そして、給料を沢山要求すべきです。当たり前のことです。給料制度は名ばかりでなくほんとうの意味でパフォーマンスベースです。会社は風紀委員会ではありません。カナダの会社、休みは多いですがその分パフォーマンスを出すのは簡単ではないですよ。
- 給料制度が画一的。優秀な人がいれば沢山給料を払えばよいし、そうでなければ低い給料で仕方ない。当たり前のことです。私がMBA取得後日本企業もいくつか回りましたが、日本の企業には人事の定めたガチガチの給料規定がありそこはMBAを取得しようがしまいが関係ありません。MBA取得者が好きかどうかは別として、自己の価値を高めた人間と怠っている人間、そこが同じ待遇はマーケットの論理に合いません。優秀な人間、パフォーマンスを出す人間、価値を高めた人間には高い給料、それでなければ安い給料、資本主義では当たり前すぎることです。資本主義が全てじゃないとか、欠点があるとかお嬢様的な言い訳を並べるのであれば社会主義国に会社を移せば良い。といってもそんな社会今時思い浮かびません。
- 社員は自己研鑽を怠りすぎ。昔記事で、低学歴の日本の会社という記事を読んだことがあります。大学4年を終えたあとは勉強を辞めてしまう。残念ながら、日本の会社、カナダの会社両方の会社の経験のある私から率直に言うと、これは事実です。机上の勉強で何が出来る、学歴でビジネスは出来ないという言葉が聞こえてきそうですが、本当にそう思うのであれば大企業でも高卒の方、中卒の方を多数雇えば良い。でも、それはしない。自己矛盾だと思います。マーケットは変わる、ビジネスモデルも変わる、サラリーマンでなくプロフェッショナルとして働くためにはスキルをアップデートし続けるのは当たり前のことです。大学4年で学べることは本当に基礎レベル、修士号や資格取得を続けるのが当然だと思います。もし高い学歴や資格を求めない仕事しか社内にないのであれば、そもそもその会社自体がやばい。
- 人事部が通常業務に介入しすぎ。人の採用も、給料も、ある程度の目安となる枠組みがあるとしても、基本はそのチームや組織の責任者に一任すべきです。ビジネスに関係のない人事部がそこに介入すべきではありません。組織の責任者は収益に責任を持っているので、その人が多額の給料を出しても取りたい人物がいるのであればその人を採ればいい。社内規定と合わないとか、他の組織とのバランスが取れないとか、そんなことはどうでもいい。カナダの会社で人事部というのは殆どアドミニファンクションでしかありません。組織の責任者が誰をいくらで使用するか、そして収益にも責任を持つ、とてもシンプルで当たり前のことです。
- 自分の年金を自分で運用しないのはとてもおかしい。日本の会社は自分の年金を自分以外の人間が運用します。一方、カナダの会社では自分の年金は自分で運用します。年金というのは自分の稼いだ給料から生み出すものですから自分のお金です。自分のお金を自分で決めるのは、結果的に他人に運用してもらうという選択を自分で行うにしても、自分で決めるのは当たり前のことです。自分で運用した結果、多額の運用益を出す人、運用に失敗してしまう人、それはその人のリスク許容量によってその人が決めれば良いことです。これには別のベネフィットがあります。自分の年金を株式投資や債権などに運用することで、世の中がどのように回っているのか、マーケットがどのように動いているのかに当然敏感になります。そして、一つの会社の社員という立場と、一方で株主という立場にもなります。それによって、株主に資金を還元しない企業、パフォーマンの悪い企業、経営者の質が低い企業の監視機能が社会で育っていきます。
思いつくままに書きましたが、ザクッと切ると人事関連ですね。つまり日本企業の競争力低下は私は人事制度が最大の原因じゃないかと思います。外資モデルは日本には合わないとかいう人いますが、それって本当なんですかね。このグローバルマーケットで日本のやり方、日本人のやり方だけでこのグローバルマーケットで勝ち抜こうなんて、少し傲慢に聞こえます。
日本には優秀な人材がいるのに日本の会社は競争力を失い続けて20年以上が経っています。日本人は個人は弱いけど組織では強い、当たり前のように刷り込まれたセリフですが、これ逆じゃないかと私は思います。日本企業、頑張ってください。それでも変わらなければ、優秀で野心あふれる人材、英語勉強してカナダに来てください。お待ちしております。