カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

ポートフォリオを考える

これまで私の投資ポートフォリオの最適化を図るため、Ray Dalio氏やDan Takahashi氏推奨のポートフォリオをS&P500との過去のパフォーマンスの違いを分析してきましたが、分析すればするほど何が正しいのかわからなくなってきました。Ray Dalio氏推奨のポートフォリオは確かにSharpe Ratioが高く、Standard Deviationも低く、Volatilityの低い投資ポートフォリオですが、利回りがいまいち。Dan Takahashi氏のポートフォリオは過去のパフォーマンスは低いものの、過去が低いからこそ将来は高い利回りが期待できるという彼のロジックも理解できます。また、彼のYoutubeで、過去10年はUS$が強く、コモディティ全体のパフォーマンスが低かったが、これからUS$は弱くなることが予想され、コモディティは上がるというロジックも理解できます。実際にUS$を見てみましょう。

 

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これは1986年から2021年までのUS$の推移です。1986年から1996年までの下降期、1996年から2002年の上昇期、2002年から2012年までの下降期、2020年までの上昇期、そして今は下降期に入っているように見えます。つまり、約10年単位で上昇下降を繰り替えてしているのがチャートからわかります。また、マクロ経済的にも、現在はFEDの金融緩和が継続して行われており、ジャブジャブのUS$がUS$の価値を落としているのも分かります。つまり、今後は金や銀やコモディティが上がりやすい環境と言えると思います。そして、金とコモディティ推奨はRay Dalio氏とDan Takahashi氏が推奨しているので、これらは是非ポートフォリオに組み込みたいと思います。

 

さて、欲深い私はUS Treasury Bondをポートフォリオに入れるのが嫌なのです。なんせ利回りが低い。下記確認してみましょう。

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2006年から、S&P500(ロウソク)、長期US Bond(水色)、中期US Bond(黄色)、Commodity(紫)の比較です。勿論2008年・2009年のFinancial Crisisも期間に含んでいます。CAGR利回りは、S&P500が7.5%、長期US Bondが3.6%、中期US Bondが2.3%、Commodityが-2.1%となります。確かにS&P500の利回りが高い。US Treasury Bondは持ちたくないと利回りを見ると思います。但し、価格の動きを見ると、S&P500の下落局面である2009年、2012年、2018年、2021年3月にはUS Tresury Bondは値段を上げています。

 

さて、長期資産ポートフォリオを考えるとき、何が自分にとって大事なのかこの数日考えてみました。現在の私のポートフォリオは、今後3年生活できるだけのキャッシュを除く資金のうち、ザクっとまとめると85%を米国株インデックス、15%を金と銀に投資しています。利回り優先です。但し、これらは私たち家族の貯金なので、やはり年間20%損が出ましたというのは耐えられそうもありません。それでは、今回のCovid 19の時のように株価が急落をしているとき、迷わず売却してキャッシュポジションに変えられるかと言われてもこれは難しい。なぜなら、これまでのキャピタルゲインに課税されてしまうことを考えると、株の売却はきっと後手後手にまわり、売却のタイイングを逃し、躊躇している間に株価は底を打つというシナリオになっています。。従って、株価急落局面では私はタイミングを図って売るなんてことはきっとできない。では、この急落局面で指をくわえて待っているのか?上記チャートでも、2006年から2012年まで、6年もの間S&P500がもとに戻っていません。これは辛すぎる。そこで、私が急落局面で出来ることは売ることではなく買い増すこと。

 

そこで、現時点での私の結論は、ポートフォリオの3割はUS Treasury Bondにする。おそらく、長期のUS Bondであれば利回りは3.6%あるし、株価急落局面でこの部分だけ売却して一時的にS&P500を買い増すという戦略です。利回りもそこそこなので、キャピタルゲインに対する課税もそれほど必要ないし、かつこれを年金のための非課税口座で保有していればそもそも課税されません。つまり、S&P500を5割、長期US Bond3割、Commodity 2割、これが私の最適ポートフォリオとしたいと思います(現時点での考えですが)。