Dan Takahashi さんのポートフォリオ
先日はRay Dalio氏のポートフォリオのバックテストをしてみましたが、今回は私の尊敬するDan Takahashi氏推奨のバックテストをしてみます。バックテストとは、彼らの推奨ポートフォリオを過去にさかのぼってそのパフォーマンスを見てみることです。
Danさんはこの銘柄をこの%でと明確に指定してなく、我々にある程度の自由度を与えてくれてますが、彼のYoutubeビデオで聞いた限りでは、下記のポートフォリオと大きな差異はないと思います。
実際にこれでBacktestをしてみました。フィナンシャル危機の時にどのようなパフォーマンスだったのかを見たいのでどうしても2008年まで遡りたいのですが、上記のいくつかの商品は2008年まで遡れません。従って、2008年から商品としてあるETFのみを使ってBack Testを行いました。テストポートフォリオは以下です。
下記の図をクリックすると大きく見やすくなります。
上記Portfolio1はRay Dalioご推奨、Portfolio2はDan Takahashiさんご推奨の簡易バージョン、Portfolio3は株式6:US Treasury Bond4のトラディショナルなポートフォリオ、そしてベンチマークとしてS&P500 IndexのSPYを選びました。この4つのパフォーマンスを2008年から比較。年一回のRebalanceを行う条件です。結果はとても意外なものでした。
上記画像をクリックして拡大してみてください。
何とDan Takahashi氏のPortfolio2 は利回り(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は
5.80%と最低で標準偏差(Standard Deviation, Stdev)も10.82%と高く良くありません。Sharpe Ratioも0.52とこの4つの中で最低の成績となりました。上記下側のグラフを見ると、このパフォーマンスは大きく2つに分けて見れると思います。一つは2008年から2014年までのS&P500停滞期、そして2014年から2021年までのS&P500成長期。まずこの前半を見てみると、Ray DalioのPortfolio 1が毎年の波が低くベストです。後半を見ると、S&P500のみのがベストです。前半後半を通してそこそこの成績を収めているのが何とPortfolio 3のS&P500 ETFを60%、US Treasury Bond40%のトラディショナル型ポートフォリオだと私は解釈しました。腰が抜けそうなつまらない結果です。
今日のBacktestでの私の理解;
- フィナンシャル危機を含めた2008年から現在までの13年は2008年から2014年までの米国株停滞期及び2014年から現在までの成長期の2つに分けられる。前半後半を通して利回り、リスク(標準偏差)のバランスが良いのは、トラディショナルタイプのS&P500 Index60%、米国Treadsury Bonds40%のポートフォリオ。利回りは8.78%。ただし、2008年には15%の下落を経験。
- より安全を目指すのであれば、Ray Dalio氏のポートフォリオ。利回りは7.95%と減りますが、最悪の年でも下落はー3.3%とかなり低く抑えられています。Sharpe Ratioは0.93と最も高く、一般的に言えば、これが一番のポートフォリオと言えると思います。
- さて、問題はDan Takahashi氏のポートフォリオをどうみるか。彼がビデオで言っているのは、過去の成績が悪いからと言って将来のパフォーマンスが低いわけではない。逆に、過去に低かったから今後上がるというロジックです。それから言えば、米国以外の株式であるVEAやVWO、そしてコモディティ10%は過去10年以上停滞していて、米国株からこれらへのローテーションが始まるとみるのであれば過去は停滞しているが今後は伸びるのかもしれません。どちらが良いかは人それぞれの判断にゆだねられるます。更に、Ray Dalio氏も株式の地域及び通貨の分散を最近良く言われており、この点ではDan Takahashi氏と共通しています。
さて、この結果を踏まえ私はどうするか。2014年から米国株式市場は順調に推移しています。現在のPE Ratioは37と低金利など様々な要因はありますが歴史的にはとても高く伸び切ったゴムとも考えられます。更に、昨今の米国の内向き志向、中国インドの台頭を考えると、今後10年に米国の勢いは感じません。従って、Ray Dalio氏とDan Takahashi氏との中間的なポートフォリオを作りたいと思います。まだ決めていませんが、株式(SPY, VEA, VWO, INDA)5割、US Treasury3割、Commodity (GLD, SLV, PPLT, DBC, DBA)2割という感じでしょうか。
Portfolioって分析すればするほどわからなくなってくるのが正直な感想です。