外資もやっぱりBoys Club
外資系と言うと、実力次第、腕次第で上に登るというイメージがあるかもしれませんが、カナダのオイル会社で10年、そしてマイニング会社で半年経ってわかること、それは外資と言えども所詮はBoys Clubなんですよね。
私のいたオイル会社が競合に買収されてそれにともないレイオフされたのが今年の1月。その後も元の私の会社の社員を主なターゲットとして4ラウンドほどレイオフがされたようです。本来であればオイル価格がこれだけ上昇しているのでレイオフする必要がないのですが、マネジメントが株主に対し、何%のコスト削減とレイオフを行うと約束していてそれがボーナスの査定に入っているので何が何でもマネジメントはそれを推進します。大手オイル会社のボーナスといえば、マネジメントとなれば数億が入ってきますので、そりゃレイオフ位どんどん進めます。足りなければ来年人を雇えばいい。とても簡単です。今日は、今月レイオフされた人とランチに行きました。
1月のレイオフ後も元オイル会社の多くの人とコンタクトを取っているのですが、そこでわかったのは人事はBoys Clubということです。わかりやすく言えば、自分の子飼い、仲の良い友人を出世させてBoys Clubを作るということです。例えば、私の前の会社で言えば、アルバータ州のとある田舎にガスプラントがあるのですが、ここでエンジニアとしてのキャリアを始めた人はこのルートに乗って出世します。カルガリーのような都会ではなく、田舎でつらい思いをした者同士という感覚です。まあ、オイル会社に入ってくる時点でスペックはかなり揃っているので、それでも会社はうまく回るわけです。他のBoys Clubといえば、別荘繋がりですね。例えば、ここカルガリーの大手オイル会社でエンジニア、ジオロジストとして働くとかなりの給料がもらえますので、多くの人はアルバータ州ではCanmore、BCではRadium Hot Springs、Fernieという夏はマウンテンバイクや湖でのボート、冬はスキーをするために別荘を所有しています。ここでは日本の会社のように同僚や上司と夜に飲みに行くということは皆無だし、仕事中は時間中にパフォーマンスを出さないといけないのであまり個人の話はしません。それがゆえに、このような別荘で家族ですごくプライベートなときには、カルガリーから離れて家族ぐるみの付き合いが始まります。したがって、この別荘繋がりで仲良くなると、その後のキャリア上でもBoys Clubに入るような形になりえます。因みに、このBoys Clubというのは別に日本の派閥のように明確な形があるわけではありませんが、ゆるりとした強いつながりがあります。
私は別荘には余り興味がなく、それよりも色んな所に旅行に行きたいと思うタイプです。このBoys Clubの存在は正直オイル会社にいるときには気づきませんでした。辞めてから皆んな会社を離れて話をする機会を持って初めてこの事に気づきました。今思えば、こんなBoys Clubにも入らずによく10年もやってこれたなと思うと同時に、10年もいたのにこんなことにも気づかなかったという思いもあります。きっと今の会社でもあるはずです。外資に入って思うこと、同僚や上司と仲良くしないと(笑)。