カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

受かる人、受からない人

昨日は昔の同僚とスタバに行きました。彼も私と同様会社が買収されて2000人がレイオフされて、その中の一人です。残念ながら彼は今も仕事を探しています。彼はとても優秀で、アルバータ大学というここアルバータでは、そしてカナダ全体でもかなり優秀と言われている大学のエンジニア部門をトップの成績で卒業し、前の会社でも5段階評価で常に5を取っていた人です。彼はカナダのトップの鉄道会社との面接で最終まで行っていたのですが、残念ながら難しい状況です。彼と、色んな話をしましたが、そこでわかってきたことを皆さんにシェアします。受かる人、受からない人です。

  • 今年1月に2000人がレイオフされましたが、受かった人はきっと5%くらいでしょうか。残りの95%の人は仕事探しをしています。それどころか、2019年末、2018年末と毎年大きなレイオフがありましたが、これらの人でも仕事を得ていない人がほとんどです。
  • 資格がない人はまず無理。今の大不景気のカルガリーの雇用状況では、大学卒だけでは今のオイル会社やカナダの大手企業から仕事を得ることはまず無理です。エンジニアであればP.Eng、会計系であればCPA-CA(会計系にはわけのわからない資格がありますがCAでないと難しい。皆さんも時間を無駄にしないように)、投資系であればCFAもしくはMBA、追加のものが必要になります。ここカルガリーはオイル会社で経済が潤っていて給料レベルが他の州、業界より極端に高かったので、カナダ中から高学歴者が集まっています。しかしオイル価格の下落、業界の合従連衡により極端な人余りになりました。従って、ただ大学出ました、では大手企業と呼ばれるそれなりの仕事はまず無理です。
  • 世の中はフェアではない。優秀だから、資格を持っているからだけで受かるとは限らない。受かった人を見ると、確かに素晴らしい資格、優秀な人が当然います。でも、なぜこの人がという人も一部見られます。具体的にはレジュメの書き方、カバーレターの書き方の上手下手が関連しています。勿論、資格も無いのにレジュメの上手下手は意味がありません。資格は最低条件です。
  • 例えば、私の昔の同僚で、もともとDevelopment Engineerだった30歳前後の方がいるのですが、P.Engは当然保有しています。しかし、社内では使えないという評判だったのに、大手パイプライン会社およびサウジアラムコから2つのオファーを得ています。彼が優れているのはレジュメです。逆に表現すれば、レジュメの書き方が素晴らしいと、それなりの資格があれば仕事を得られる確率は高まります。
  • 一方、昨日の優秀な彼のレジュメをカフェから帰宅後見てあげたのですが、レジュメは事実を羅列しているのみで、アピールに欠けるものでした。例えば、I executed process optimization works, resulted in $35 million of cost savings. まあこれは事実なのですが、例えば、I initiated process optimization projects working with 10 engineers, and achieved $35 million of cost savings per year (10% of total cost savings). と書くのでは大きく違います。前者は淡々と事実を述べたのみ。でも、後者ではInitiatedという言葉では自分が自発的に行動している、working with 10 engineers という言葉はプロジェクトマネジメント能力をアピールできる、Achievedという言葉は達成している、結果としてたまたまじゃなくコスト削減を意図して達成している、$35 millionのコスト削減が、どのくらいの意味を持つのかを%表示でわかりやすくしている。こんなことだけでも、同じ内容の達成したことでも、相手のとり方が大きくかわります。

仕事探しは、自分のブランディング戦略とその遂行が必要で、どのように自分をアピールするのかが当然ながら大事になります。仕事ができるからといって、自分のブランド戦略が上手いかというと実はそこにギャップが起こり、世の中フェアじゃないという自体が起こるんだと思います。