カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

戦略コンサル面接突破法

前回は、私のスペックでは正面突破は困難なこと書きました。学歴職歴地頭勝負では勝てません。そこで私の売りこみテーマは、「メーカーの内情を知り尽くし、英語も出来るベトナム帰りの理系の営業マン」です。なんとも格好悪い。外資戦略コンサルらしからぬ売り込みテーマです。でも、結果的にはこれ以外と悪くなかったのです。私の早稲田理工学部卒では弱い、なのにMBAも持ってない、地頭では話にならない(当時はそれさえ気づいてませんでしたが)、官僚でも投資銀行出身でもない私が勝てるのは、泥臭さかなと思いました。さらに、ベトナムというキーワードで面接官に泥臭さのイメージと強烈なキーワードを刷り込みたい目的もありました。

 

日本にある戦略コンサルの大手顧客は自動車、電機などの大手メーカーが多数を占めます。これは入ってから分かったのですが、戦略コンサルの多くは新卒で入社し、その後コンサルを転々とするものの主要な顧客である事業会社で働いた経験のある人は実は余りいません。従って、あなたの顧客の内実知り尽くしてますというのは大きな売りになります。実際には当時20代の私はメーカーの内実なんて余り知りませんでしたが、現場経験のないエリートコンサルに幻想を持たせるくらいは出来ました。また、戦略コンサル、意外と英語が苦手な人が多い。外資といっても日本にオフィスがあるので主要顧客は日本の会社です。従って、MBAに行って多少喋れても、ビジネスレベルの英語を喋れる人は実はあまりいない。しかし、たまにコンサル会社海外オフィスとのつながりで日本にある外資系企業、もしくは海外の日系企業法人の海外プロジェクトがあり、ここに突っ込めるコンサルタントは余りいません。また、戦略コンサルで理系というのは売りになります。

 

戦略コンサルは業界業務知識ではクライアントに勝てません、ファイナンス関連の知識があるわけでもありません、法律に明るいわけでもありません。戦略コンサルの要は、ロジック構築力と営業力です。種々複雑に絡み合ったファクトを整理整頓し、漏れなくダブりなく誰も反論できないようなロジックでそれらファクトを結んであげて、顧客が何となく思っているけど上手く整理できない事を汲み取って、完璧なパワポでプレゼンすることです。クライアントのキーパーソンに、それそれ、それを言いたかったんですよ、と言わせたら勝ちです。従って、顧客の内実を知っている(ふり)、英語も出来る(ふり)、営業経験あり、且つ実は理系ですというのは、売り込みとしては需要は大きくないですが、ニッチをつける悪くない方法だと思います。

 

あるパートナーは戦略コンサルを、高級営業マンと呼んでました。学歴ピカピカで(顧客に幻想を作り)最強のロジックを作り上げ、それをネタに次のプロジェクトを獲得できる営業力を備えたという意味です。

 

因みに、この漏れなくダブりなく、コンサルはMECEという言葉を使います。Mutually Exclusive, Collectively Exaustiveの略です。視点に漏れがあることを最終プレゼンで突かれると、そこを埋めなければならないので追加料金なしでプロジェクト期間が延びてしまいます、また視点にダブりがあると、ロジックのQualityを疑われます。

 

やり方次第では、戦略コンサル夢ではありません。若い方で戦略コンサル志望の方の何らかのヒントになれば幸せです。

 

さて、次回は実際の面接の様子を書きます。