MBAの中身
私のMBAは101人の生徒がいて、EU圏を中心に世界中から集まってきます。
EUが多いのは、学費がEU出身だと圧倒的に安いから。非EU圏だと年間当時のレートで400万弱します。
プログラムは先生が教える形のTaught Classと、プロジェクトワークに分かれます。Taught Classは広く浅くという感じでしょうか。企業戦略、事業戦略、ファイナンス、会計、統計、ゲーム理論、マーケ、Organizational Behaviourなど。一つ一つの内容は修士レベルではなく、学部レベルです。但し、2学期の選択科目になるとグンと深くなります。
EUの生徒は英語を母国語としてなくてもヒアリングは出来ます。日本の生徒もTOEFLで620点を出しているのですが(私以外)、英語が下手でした。これは言語学的に仕方ない。言語構造が英語と日本語は余りに違う。従って、数学系の科目、ファイナンス、アカウンティング、統計などの科目で点数を取らないとMBAではかなり苦労します。Organizational Behaviourなどの定性的科目は、英語自体が修士レベルに達していないと内容が良くても大きな減点になります。
私も英語は苦労しました。ただし、一日100ページ以上事前に予習することを繰り返すと、読むスピードは格段に上達しました。一方で、プロジェクトワークでは内容が他の生徒よりも優れていても、英語が下手だとリーダーシップをとることは難しい。プロジェクトワークは、俺の方が出来るのにという思いがあり、言葉が弱く苦労しました。
当初は戦略コンサルをやっていたので今更感はあったのですが、学ぶことが多く、とても面白かったです。特に、ファイナンス、アカウンティング、統計の3つは今での仕事で役に立ちます。会社では、アカウンティングを知っている人、ファイナンスを知っている人などそれぞれいますが、両方知っている人は意外と少ないので役に立ちます。
さて、MBAで勉強以外で学んだこと。
- 国が同じより、国は違っても社会階層が同レベルの人の方が共通点が多い。例えばスペインから来た、きちんとした大学を出て会社に入っている人の方が、考えていること、興味、悩みなど、日本の地方で全くバックグラウンドの違う人よりも圧倒的に共通点が多い。
- その国の見え方は、自分のいる立場によって大きく変わる。以前ベトナムに駐在員として見た景色、バケーションとして遊んだシアトル、学生として残り少ないお金で暮らしたイギリス、どの立場で行くかで見える景色が大きく変わります。外国人用のマンションに住んで転手付きの車に乗ったベトナム、自分はベトナムを大好きだと思ったのですが、今思えばその立場が好きだった。一番安いスーパーに自転車で買い出しに行き、車の通りすがりでチナ、チナと馬鹿にされ(Chinaですね)、おつとめ品のシールが付いたものを買う生活では、見える世界が変わります。
- 英語はとっても大事。国際人になるには、まずは日本語、日本語をキチンと身に着けたら英語は簡単という方よくいます。その方が本当に海外で活躍しているのかみたいものです。海外出張に行って通じた気でいるのか、日本企業の駐在員として海外に行き、日本からの出張者のアテンドや本社とのやり取りだけしていて海外で活躍したつもりなのか、本当の意味で外国の外資企業の中に入って亘り合ったのか。能力+英語、本当の意味で活躍するには両方必要。そもそも、国際人とかグローバル人材とか、その時点で既に田舎者。