カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

レイオフってどう?

Man packing up his desk after being laid off

昨日に続き、今日も小さいのがありました。今回は上のポジションを最初に削って、今秋までに下に落としていくという感じだと思います。

 

今回は正直厳しい。きっと私は生き残れないかもしれないのでそれまでに出来るだけ書き進めます。ここカナダでのオイルビジネスは全く光が見えません。年配の方によると、ここまでの長期で深い不況は今まででも経験無いそうです。従って、カナダのどのオイル会社も組織同士を合併させて組織を小さくする方向性です。これに伴い当然ポジションがかぶります。私は今までは何とか生き残れたものの、オイル会社に残っている人は既に精鋭揃いですので私のパフォーマンスでは正直厳しいかなと思います。このパフォーマンスというのは能力や運、タイミングも含めての意味です。私のコミュニケーション力、昨年今の部門に移って来て一つ昇進したためこの新しいレベルでの競争力、この組織では私は新参者、そして当然私のオイルマンとしての能力を含めた総合的なパフォーマンスという意味です。

 

レイオフを会社視点、個人視点で考えてみます。結論から言えば必要であるというだけでなく、とても良いことだと思います。

 

会社視点で見ると、オイル会社を取り巻く環境が大きく変化していて、生き残る為には組織も変化に素早く対応しなければいけません。外部環境は変わるけど人って大事だから自分たちは変わりませんなんていうお嬢様みたいな事を言っていてはここでは生き残れません。逆に、オイル価格が上がれば今度はポジションが増えるわけです。そして組織の新陳代謝が常に起こり、素早く柔軟で最適な組織が維持されます。そうやってこんな私でも、2011年にオイル会社からオファーを貰うことができました。2008年のフィナンシャル危機でポジションが削られ、景気が上向いてきた2011年にその波に乗ることができました。逆に言えば、今の会社は2008年にレイオフをやったため、その後普通のカナダ人とは違うバックグラウンドを持った優秀な人材を雇うことが出来たわけです(手前みそ)。日本だとこれはとっても難しいですよね。そう、レイオフするということは、逆に人を雇えるということなのです。

 

個人レベルで考えると、まあ会社がいらないと思っている時期に敢えてそこに残ってもポジションに空きがないので出世が難しい。かといって、今のポジションを自分から投げ出すことは中々決断出来ません。従って、新しい道に進むとても良い機会ともいえるのです。パッケージも貰えます。また、こういう辛い経験をする人間は必ず強くなります。北米のエリートが持つ真剣さや迫力、終身雇用の公務員やサラリーマンのひ弱さ、この覚悟の違いは大きいと思います。

 

まあそうは言ってもレイオフってかなり辛いいものであることは変わりません。頭でわかっていても怖いです。

 

最後に、興味あるのは数字だから数字を出せというリクエストを受けましたのでご参考まで。

 

レイオフパッケージっていくら貰えるのか。まあ全ては会社、その人のポジション、時期によるので絶対的な答えはありません。しかし、ある条件下ではある程度は想像できます(あくまで想像です。個別の企業を指すものでは決してありません。架空の話としてご理解ください)。例えば、基本給が年$120kで経験10年、大手カナダオイル会社だとします。10年勤務でパッケージ10か月分ですので、$120k/12*10 months=$100k となります。これに、失業後半年でカナダの失業保険がもらえるので、まあ2-3年は仕事なくても生活は出来るという感じです。逆にすぐに仕事が見つかれば、このケースでは$100kがそのままボーナスとして手元に残ります。因みに、オイル会社ではこの基本給はかなり低い方かもしれません。ご要望にお応えできていれば良いのですが。