カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

朝から会社はワサワサでした

今日は朝から会社中でワサワサです。

 

朝いつも通り8時過ぎに出社し、朝9時を過ぎたころ、急に周りの雰囲気がソワソワし始めました。会社のある部門でレイオフが始まりました。皆んな会社のチャット機能を使ってその部門の人とリアルタイムで更新しています。シニアマネージャーがある部屋に集まってるとか、同僚が今会議室に呼ばれたとか、様々な情報が交錯します。結果的にはその部門のトップの近くと中堅あたりが今回の主なターゲットです。

 

私の会社では通常レイオフは火曜日に行われるのでターミネーションチューズデイと呼んでいるのですが、今回は珍しく水曜日です。通常7月8月は夏季休暇を取る人が多くこの時期とクリスマスシーズンはレイオフを行わないのがこの業界のならわしなのですが、もう常識も何もありません。

 

オイル価格が下落したのが2014年末、それから沢山のレイオフがここカナダのオイル業界では行われ、第4次くらいまでは数えていたのですが、今は第何次のレイオフの波かはもう知りません。

 

ここでちょっとファクト整理を。世界で一番の原油生産国はどこかご存じでしょうか?現在はシェールブームで沸いている米国なのです。2位がサウジ、3位がロシアで、4位がカナダなのです。そしてカナダのオイル会社の本社はここ私の住むカルガリーにあるのです。カナダは雄大な自然に囲まれたなんてイメージが強いかもしれませんが、実は世界有数の産油国です。因みに、カナダではオイルや天然ガスの地下資源は主に州レベルで保有されるので、ここで取れるオイルの所有権はアルバータ州政府のものになります。しかし昨今は環境問題への意識が急激に高まり、また常に裕福なアルバータ州への他州からの僻みもあり(私見です)、オイル価格自体はまあまあOKなレベルなのですが環境規制ガチガチで投資を行える環境とは言えず、カナダのオイル業界は大不況に見舞われてます。Total, Stat, Conoco, Devonなど外資メジャーがカナダから投資を引き上げており、大不況なのです。

 

因みに、レイオフとファイアーの違いについて理解が曖昧な日本の方は多いようなので為念説明します。レイオフは不況や組織再編成などの理由による会社都合によるもの、ファイアーは個人のパフォーマンスが低くておこるものという区別になっています。従って、レイオフの場合はパッケージと言って、その人の働いた年数やポジションによって一定のお金が支払われますが(10年働いたら給料の10か月分という具合)、ファイアーの場合は一切お金は支払われません。また、この業界レイオフは頻繁なので、再就職の際にレイオフされたと言っても不利になることは基本的にはありません。雇用の流動性はかなり高いと言えます。

 

レイオフはだいたい8時半ごろから行われ、上司に呼ばれ会議室にいると人事が待っていて、"Your service is no longer required" と上司から言われ、上司が部屋を出たところで人事からパッケージ内容の説明があります。そしてセキュリティーが部屋に入ってきて、彼らに付き添われ渡された箱に私物を詰め込み、会社を出ます。持ちきれない私物は後で自宅に郵送。これは、会社のコンピューターネットワークに入って情報を取出すのを防ぐため、もしくは上司や同僚に殴りかかるなどを防ぐ為です。この業界ではずーっとこのやり方です。もう何人も何十人もこの目で見てきました。

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カルガリーダウンタウン。私の会社のビルはどこでしょう?

 

続きは明日。明日私は何をしてるだろう。