カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

カナダオイル会社のお給料

レイオフというカナダオイル業界の厳しい部分をお伝えしたので、これからは少しおいしい所をお伝えします。ズバリ給料です。私はこの業界で現役なので、このトピックは出来たら避けたいのですが、これを知らないと皆様の海外就職の目安が立たないと思うので言える範囲で纏めます。

 

How to answer the dreaded salary question

 

数字を言う前に、皆様に正しく理解していただきたいのでまずは業界構成から。オイルといっても様々なビジネス形態があります。日本でオイルというと殆どの人がオイルの精製事業をイメージすると思いますが、実はこれはオイル事業の最後の部分なのです。Supply Chain軸で切ると、オイルのある場所を突き止めて地下3,000mくらいまで穴を掘ると、地下と地上の圧力差で原油がストローから噴き出すように地上に噴き出してきます。これを上流事業と呼びます。そしてこの原油をパイプラインもしくはタンカーなどで輸送する事業を中流事業。そして運ばれた原油消費地でRefineryで精製して原油から石油製品例えばガソリンなどを作りガソリンスタンドなでで売ったりするのが下流事業と呼びます。日系だと出光さんなどは一部上流資産をお持ちですが、主力事業はこの下流事業。

 

中流または下流事業は輸送やプロセス産業なのでLow Risk Low Returnと言われてます。一方、上流事業は数百億円かけて井戸を掘ってもDry Wellといって原油が出てこないなどリスクが高く、High Risk High Returnで数千億円のお金が簡単に動くのがこの上流事業です。

 

さて、このオイル事業も自動車業界同様、分かりやすく言えばピラミッド構成になっています。オイル生産会社を頂点として、一次下請け、二次下請け、などなどとなっています。千代田化工さんや東洋エンジさんなどは、この一次下請けになります。日本の商社さんは面白いポジションで、上流投資もするし、二次下請けの鉄鋼製品のブローカーもするし、上記エンジ会社の親会社であったりもします。ただ商社さんが数千億円規模で利益をだしてるのがこの上流投資です。

 

お給料も、一般的にはこの上流事業の方が中流下流よりも高いですし(勿論ポジションによるのですが超ザクっと切ってます)、ピラミッド内での給料格差はかなりおおきいと思います(自動車業界と同じ)。

 

また、同じオイル会社でも、やはりExxon, Shell、Total、BPなどのSuper Majorを頂点として、規模が大きいほど給料も高くなる傾向があります。ただし、オイルが高騰しているときには、Stock OptionでJuniorと呼ばれる従業員数十人・数人規模のオイル会社の社員の方がフェラーリランボルギーニを買っちゃうという逆転現象が起きるのもオイル業界の面白い所です。なので、景気が高い時にはJuniorは人気になります。

 

私の今いる会社はこのSuper Majorほどは大きくないですが、カナダでTop3に入るオイル会社ですので、給料は恵まれています。

 

ちょっと長くなりすぎたので明日に続けます。