カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

不動産投資

今日は不動産投資について。

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皆さんご既承の通り、不動産投資は株式などの金融市場とは根本的に市場特性が異なります。株式市場はグローバル市場に対し不動産市場はローカル色の強い市場です。従って、NYなどに住む頭の良い方々がこのローカルの不動産投資市場に参入しずらい構造ということはその地域の投資家には有利に働くと思います。

 

ここでは、私が多少知識があるカナダカルガリー不動産市場のResidential(一般住宅)限定で考えを述べます。

 

結論から言えば、家やコンドミニアムを投資用にわざわざ買って行う投資は、新築であれ中古であれ私は興味ありません。単純に数字が合わないからです。例えば、ダウンタウンに近いコンドの場合。2 bedrooms のコンドで仮に$500,000とします。毎月の家賃が$2,500とすると、ザクっと毎月のモーゲージが$1,400 (勿論Termや頭金や金利によりますが市民税が$400、共益費が$300, 空き室率10%とすると$250、室内の修繕費を1割の$250とすると家賃収入は赤字もしくはまあトントンですか。すると、投資のメリットはコンド自体の価格が上昇するのを期待するしかありません。

 

それではカルガリーのコンドが上がるのか。私はカルガリーの不動産価格はWTI原油価格)リンクだと理解してますので私はかなり悲観的です。それ以前に、値上がりするのかしないのか全く予測できない市場で、値上がり益を期待するという投資法はギャンブルとしか思えず、私の信条の「負けない投資」には合致しません。だからやりません。また、Liquidityの低さ(現金化のしずらさ)も見逃せないネガティブなポイントになります。

 

不動産投資は興味があったので色々と調べましが、家賃収入(家賃でなく費用を差し引いた利益です)だけで5%のRate of Returnの物件を見つけたことはありません(かといって、絶対無いとは言えませんが)。

 

唯一可能性があるのは、今持っている自宅の地下の内装工事を行い、地下を貸すことです。カルガリーの自宅は地下がコンクリート打ちっぱなしでできており、後は内装工事をするだけです。これであれば数字は合います。勿論、既に保有している物件の取得費用はSunk Costとして投資の計算には入れませんが。

 

不動産投資はテナントの選定やトラブルなど、なかなかハイメンテナンスです。それにも関わらず家賃収入トントンでは割に合いません。家賃がトントンならモーゲージが返し終わる30年後にはその家はタダで自分の家になるという人がいますが、その理屈は私には同意できません。不動産投資をするなら、IndexのMutual FundまたはETFを買った方が手間が少なく勝てる確率は高いと個人的には考えます。特に、大企業に勤めていてマクロ経済を把握できる仕事をされている方は、Mutual Fundの方が売買のタイミングを掴めて手間もかからず良いかと思います。

 

もう一つ踏み込んで、何故不動産市場では利益が出ないのか、きっと誰でも投資をしやすく目に見えて馴染みがあり、数字を余り理解しないで投資を始める人が多いから供給過多になるんだと思います。