面接後のフォローアップ（とどめ）

面接で良い感触を持ったのはエンジニアリング会社、電力会社とオイル会社の計３社。直近の仕事でエネルギー関連の仕事をしていたので、落ち着くところに落ち着いたというところでしょうか。それなら最初からエネルギー関連に絞れば良いという意見もあると思いますが、挑戦した結果こうなったというのは、私自身納得感が出るのでとても大事なプロセスでした。今後迷うことはありません。さて、これらの会社は受かるだろうなという感触と自信を持っていました。

それでも、それでもです。私は妻のカナダ企業への就職活動をサポートしていたのでわかるのです。自分は上手くいったと思うという事は、相手も良い印象をこちらに持っている。でも、いるんです、必ずライバルが。これは日本でも一緒ですよね。面接の最終段階で給料や入社後の事など具体的な話をしたにもかかわらず、ライバルがその後出てきたりするものです。そこでライバルと差をつけるのが、Reference Listに載せた方々です。

カナダでは、恐らく欧米全体だと思いますが、ある程度のプロセスまで行くと必ずReference Listの提出を求められます。このリストには、面接を受けている会社が、私の事を更に聞くために、私以外の人から客観的な私の評価を聞くために、コンタクトして良い人のリストを受験者が書くわけです。逆に言えば、会社が調査会社のように私の身辺を勝手に嗅ぎまわることはできないのです。

このコンタクト先は原則誰でも良いのですが（会社によってはある程度範囲を狭めてくることもあります）、当然私の仕事の評価をよく知る人、前の会社の上司や同僚などが対象になります。因みにこのReference Listはエジンバラ大学のMBAを申し込む時にも提出を求められました。

それなら自分の事を褒めてくれる人を書けば良いとなりますが、カナダのプロフェッショナルな環境では、自分と仲が良いからと言っていい加減なことを言ってはいけないという紳士協定のような、暗黙の了解があります。そのプロフェッショナルな倫理に基づいて、雇用主となるかもしれない会社は連絡するのです（とは言っても、仲の良さは大事です）。

前回の記事で、退職と同時にまず行ったのは、前社を退職し仕事探しをしていることを全てのコンタクトに連絡したと書きました。何と、それが活きたのです。連絡をすると、全く反応のない人、優しい言葉をかけてくれる人、助けるような素振りを見せるけど何もしてくれない人が殆どでした。ですが、助けてくれる人っているんです。

前職時代にオイル資産買収の件で２回だけあった投資銀行のカナダ人のおじさんがいました。仕事探ししてることを伝えると、今ニューヨークに出張中だけど帰ったらお茶でもしようとメールの返答がありました。２回しか会ったことがないし、大した話もしてないので、このおじさん暇なのかなと思い気軽にお茶に出かけました。そこで、大事な相手だとも余り思っていなかったので、カルガリーのオイル会社は規模が大きいからといって世界中に資産が散らばって事業にレバレッジが聞いてない、戦略とは投資する事だけじゃなく、投資しない、その事業をしない事を明確にするのが基本中の基本でそれが全く出来てないなど、言いたい放題話しました。

そうしたところ、君は面白い、カルガリーのオイルマンはそんな議論はしない、などと褒めくれ、オイル会社はどこを受けた、誰と会ったと聞かれ、その人と話をしてあげるとなりました。そして、面接の感触の良かったエンジ会社、電力会社、オイル会社のReference listにこの方の名前、連絡先などを書くこと了承してくれました。こんな人いるんだと思いびっくりしました。このおじさん、とても優しい。

このReference Listにはこの方に加え、残りは全て、敢えて前職時代にお世話になった東京の方の連絡先を入れておきました。当然これらの会社はこのカナダ人に電話します。実際にこの方から連絡があり、電話がそれらの会社からかかってきたこと連絡がありました。投資銀行のおじさんなので、これ以上ないReferenceです。エンジ会社と電力会社からオファーペーパーがすぐに届きました。因みに、このおじさんからは、この方の投資銀行にこないかと誘ってもらったのですが、自分の英語力ではクライアントをManageすることはできないのは知っていたのでお断りしました。

次回はオファーペーパーの事、その後に起こるサプライズについて書きます。

最後に業務連絡すみません。海外での就職を夢見る方の為に、大小関わらず日本で講演会をやりたいと思っています。ご希望の方はご連絡ください。また、ご興味ある方に当ブログをご紹介いただければ何よりも嬉しいです（現役で働いてるので前もって教えていただけると助かります）。宜しくお願いします。