カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

女性の社会進出:カナダの会社の場合

私の会社では、Diversity (多様性)に対して見かけだけでなくかなり真剣に取り組んでいます。会社横断のDiversityチームが結成され、様々な啓蒙活動を行い、また全てのチーム会議では、最初にDiversityの話題を取り上げなければならず、皆で意見交換をしなければいけないことになっています。不思議なもので、会議ごとにDiversityに関する意見交換をしていると、気づくと自分もそのサポーターになっています。

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私の会社でいうDiversityとは主にLGBTQ、女性、人種などがこの定義に入ります。この中でも今特に重要視されているのが女性社員の数を増やすことと女性のリーダーシップポジションを増やすこと。従って、女性はレイオフの対象となりづらく、且つ昇進も有利になっていて一部の男性社員には不満はあるかもしれません。しかし、ある程度極端に振れないとあるべき姿には近づけないので、良い事なのだと思います。

 

実際にカナダでは共働きの家庭が多く、且つ女性もプロフェッショナルとして活躍しています。では何故カナダでは女性が活躍できるのか。答えはとてもシンプルで、男性が午後4時、5時には家に帰って子育てを一緒にし、女性に過度なしわ寄せがいかないからです。

 

前回の記事でも書きましたが、カナダ人で午後5時以降残業することは、プロフェッショナルでも特別な状況を除き殆どありません。私の会社の例でいえば、朝7時に出社して午後4時に帰るのが一番多いパターンです。朝6時午後3時もかなりいます。従って、子供が小さければ、女性が朝子供を保育園に連れて行って、男性が午後4時半に子供をピックアップする事が出来ます。

 

また、プロフェッショナルの仕事でも出張というものは一部の特殊な仕事を除いて殆どありません。現在のオイル会社で働き始めて既に8年以上が過ぎましたが、これまで一回しか出張したことはありません。遠隔のオフィスと会議をしたければ、チャットかせいぜいビデオ会議で用は足ります。日本の会社のようにわざわざ出張して、一緒にDinnerを食べてというような事は殆どありません。また、海外オフィスへの転勤は、会社が命令する事ではなく、行きたい人がその仕事に応募するので、海外オフィスに行く人は大概が子供が巣立った定年近くの人か、もしくは子供のいない夫婦が多いです。間違っても会社が勝手に個人を転勤させるという事は出来ませんし、そんなことをしようとすれば優秀な社員であれば転職してしまいます。従って、男性の転勤によって女性のキャリアが中断されるという事は、あり得ない事です。

 

男性が3時や4時に帰るから育児にも参画できる、だから女性が家庭の事を全て背負う必要は全くない。男性も、女性が働くことによってダブルインカムとなりよりゆとりある生活が出来る、社会としても女性が納税者になることで財政的にもNet Contributorになってくれる、とても合理的に社会が回っています。

 

因みに、日本の男性の為に一つ誤解を解いておきたいことが一つ。私の周りに限ったことかもしれませんが、カナダの男性は日本の女性が想像しているほど完璧には家事はしません。子供と遊んだり家の修理をしたり、BBQなど自分の好きなことは積極的にしますが、皿洗いやお掃除を手伝うという話は殆ど聞きません。それでも、時間にゆとりがある分日本に比べると家事参画はそれは圧倒的に出来るのは確かです。

 

日本も優秀な女性がゆとりをもって、更に社会で活躍できる日が来れば良いですね。