カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

外資の働き方

今日は、外資企業特有の働き方、特に日系の大企業との働き方の違いについて纏めてみます。外資と言っても、様々な業界特性がありますし、外資の日本現地法人は独特の文化があるでしょう。ここでは、私のいるカナダオイル会社本社で働く経験から、外資本社での働き方にフォーカスを当てて書いてみます。

 

1.上下関係は絶対。会社ではCEOでもCFOでも直の上司や部下、全てファーストネームで呼び合います。これはどのポジションにいようが人間として上下は無いという北米特有の文化から来ています(建前上ですが)。しかし、だからといって本当にフラットの関係というわけではありません。それどころか、上司は部下の評価、給料、ボーナス、クビにするなど人事権すべてを握っています。日系企業のように人事が介入するとか、その部門全体のコンセンサスという視点は入りません。従って、上司の指示は絶対です。ここを勘違いすると痛い目にあいます。かといって、上司サマサマというわけでは無いのが面白いところです。本当に嫌なら転職すれば良い、これは人材の流動性が高く転職市場が確立されているからこれが可能になります。ただ、その会社に在籍している間は上司は絶対です。

 

2.株主絶対主義。日系の大企業のステークホルダー(組織活動における利害関係者)は重要度から言えば、従業員、株主、顧客、取引先、その他と言ったところでしょうか。特に、ステークホルダーの中で従業員の序列は高いと思います。一方、北米の会社のステークホルダーは唯一無二、株主のみ。つまり、株主価値最大化のためには法的・倫理的に問題が無ければ何をやっても良いということになります。従って、年間利益が数千億円を記録しても必要であればレイオフも行います。日系企業であれば、赤字が数年続かない限りレイオフはありませんが、北米では株主がそこまで待ってくれません。レイオフが行われるのは、それをすると株価が上がるからです。とてもシンプルな仕組みになっています。

 

3.残業無いが時間内は超集中。一部の投資銀行や大手法律事務所、戦略コンサルなどを除き、北米には残業という概念は殆どありません。勿論仕事が終わらなければ帰れませんが、長期に渡り残業が続くということはありえません。そもそも、それを行う文化がありません。業務時間内に仕事を終わらせるため、仕事時間中は無駄なこと、必要ないこと、優先順位の低いことは行いません。従って、メールの書き方を注意されるとか、くだらない会議の議事録作成や、報告書などの書類作成、ダラダラと会議をするとかはありません。皆んな早く仕事を終わらせて時間内に帰りたいからです。部下や社員育成に関しては、そもそも自分のキャリアは自分が責任を持つという考えが根底にあり、そのためのお金は出しますが会社が積極的に社員育成に取り組むことはありません。上司はその責任が無いので、既に優秀な社員のマネジメントに専念できます。優秀でなければ、そこから出されるだけです。逆の味方では、一流のプロとして選ばれるため、働きながらMBAを取得したり他の資格を取得したり、キャリアの向上の為一生懸命勉強します。私の経験では日系企業修士号を取得してる割合は一部エンジニアや研究者を除き極端に低いですが、カナダオイル会社で修士号は標準スペックで、常に資格をUpdateしています。

 

4.IT活用は流石に進んでる。日系企業と比べると比べ物にならない位ITの活用が進んでいます。特に、様々なソフトウェア、データサービス会社の活用など、これらにお金は惜しみません。私の場合、ソフトウェアを覚えるだけで2年はかかりました。

 

5.空気を読む。以前書きましたが、これはとても大事なスキルです。カナダの大企業で働く人は優秀なだけでなく教養が高く品を備えている人が多い。逆に、KY発言などをする人はアウトです。

 

因みに、外資の日本現地法人が実は世界で一番過酷なんじゃないかと私の経験から思います。外資の首切りの文化と、日本の非効率性と勤勉さがごっちゃになった独特のカルチャーが混ざり合い、長時間労働成果主義となっているからです。外資の働き方で質問があれば何ありとコメント下さい。