カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

Portfolio の勉強2(Bondのベストな割合)

さて、Bondの勉強のUpdateです。前回はBondの基礎知識を勉強しました。今回は定量的に分析してみます。数字を見てみましょう。

 

前回の記事でBond価格は中央銀行のInterest Rateと逆相関、そしてリスクリターンはBond発行者の信頼度と、Bond貸し出しの期間に左右されること書きました。Bond発行者はGovernmentもしくはInvestment Gradeを選ぶとして問題は長期もしくは短期、どれがいいのかを数字で確認しました。因みに、私のBond ETFの目的は、Portfolioの一つとしていかにVolatilityを下げながらPortfolio全体のRate of Returnを上げるのかです。この視点で考えました。

 

まずは、BND(平均8年のMaturity)の中期ETF及び、TLT (20年以上のTreasury Bond)の長期ETFを比べました。まずは、2008年からのStock価格比較です。

 

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グリーンに見えるロウソク足のチャートがS&P500です。そして、紫色がTLT、赤色がBNDになります。これを見ると、赤色のBNDは価格がほぼフラットなのに対し、S&Pは上がったり下がったりを繰り返しながらの上昇です。一方、TLTは全体的には上昇していますが、S&P500が下がればTLTは上がり、S&P500が上がればTLTは下落と、かなりの逆相関を確認できます。前回Youtubeで学んだ通り、長期BondのTLTの方が中期BondのBNDよりVolatilityが高く、S&P500と見事な逆相関を確認できます。そこで、逆相関がみられるのであれば、PortfolioのRebalancingを行えばS&P500のVolatilityを下げながらパフォーマンスを上げることができるという仮説を作りました。以前ご紹介したBacktestingを使ってみましょう。

 

https://www.portfoliovisualizer.com/backtest-portfolio#analysisResults

 

Portfolio 1: VOO (S&P500 Index Link ETF) 100%

Portfolio 2: VOO 60%, TLT 40%

Portolio 3: VOO 60%, BND 60% 

 

2008年から2020年現在までを比較しました。さて、まずはRebalancing なしの結果は以下。

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Portfolio 2 すごく良いですね。CAGR(利回り)はPortfolio 1のVOOのみとそれほど引けを取らず、Volatilityを表すStndevを大幅に下げ、勿論Sharpe RatioもPortfolio 1を上回っています。また、Portfolio 3よりCAGRが上回ってるのは予測できますが、Volatilityも低い。

 

それでは、Rebalancingを半年に一度したらどうなるか、テストです。

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なんと、CAGRはPortfolio 1をPortfolio 2を上回り、かつVolatilityは下がり、Sharpe Ratioは0.94と最高値をマークしました。

 

因みに、期間を2015年から現在までと変えてもメッセージは同じです。つまり、ここでいくつかのことが数字で確認できました。

 

  1. S&P500 Index ETFを100%単独で保有するより長期のBond ETFであるTLTを組み入れ6:4にすれば利回りは僅かにS&P単独より劣るものの、Volatilityを減らすことができる。Sharpe RatioはTLT組み入れの方がMuch Better
  2. そして、面白いことにRebalancingを半年に一度行えば、TLT4割組み入れた方がS&P単独より利回りを上昇させVolatilityを減らすことができます。これって凄いことじゃないですか?利回りが上がるんです。
  3. Buy & Holdはベストな戦略とは言えず、Rebalancingを行う方がベター。
  4. Rebalancingにより利回りをより大きく増やすには、S&Pと逆相関のより大きい、長期Bond ETFが中長期、おそらく短期Bond ETFよりベターと言える。

 

これまで多数の方から分散投資が良いという言葉を聞いてきましたが、分散投資はリスクは分散されるけど逆に利回りは下がるよなと思いあまり納得はできませんでした。でもここで分かったのは、分散投資自体がすごいのじゃなくて、逆相関の商品を組み合わせることによりVolatilityを下げ且つ利回りも単一商品のS&P500を超えることができることが分かったのが大きな感動なのです。