カナダ外資系日記

海外就職、海外で働く、株式投資について書きます。

US 10yr Treasury Yield の株価への影響

今日はUS 10 yr Yieldと様々な指標への影響を確認したいと思います。

 

まずは基本的なことから。US 10 yr Treasury Yieldのチャートは以下;

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上記は1964年からのYield Rateですが、現在の0.93%というのは歴史的に見ても最も低いレートです。

 

下記は今年年初からのYield Rateですが、3月以降徐々に徐々に金利が増加しているのがわかります。

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それでは、Yield Rateと債券価格の関係は以下。当然ですが、完全の負の相関になっています。

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つまり、2021人もこの調子でYield Rateが上昇続けると、債券価格は下降し続けることを意味します。これが、Ray DalioさんやDan Takahashiさんがポートフォリオにおける債権の割合を少し減らした方が良いといっている理由ですね。

 

さて、ここからが分析の本番です。では、Yield rateとS&P500との相関は以下。

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これまでのような明確な相関はありません。但し、どちらかといえば、Yield Rateの上昇とS&P500は正の相関があるように思います。つまり、2021年もS&P500は上昇するとこの視点からは言えそうです。

 

さて、次は私が最も興味のあるもの。Yield RateとCommodity全般との相関です。

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どうでしょう、2008年と2014年の2年を除き、過去12年で正の相関関係が見えます。2021年はCommodityは伸びるかも。

 

結論;

  1. US 10yr Treasury NoteのYield Rateは歴史的に最低のRateになっています。ただし、2020年3月以降、徐々にRateは上昇気味でかつ上昇余地はとても大きい。逆にこれ以上Yield Rateが下がることは歴史的にみると考えずらい。
  2. もし上記Yield Rateが今後とも伸び続けるのであれば、Yield Rateと正の相関ある株式及びCommodityは上昇余地が大きい。一方、債券は当然ながら完璧な負の相関なので債券価格の下げ幅はとても大きい
  3. 金はYield Rateと負の相関なので、Yieldが上がれば金価格にはネガティブに働きます。但し、世界中の中央銀行がMonetary Supplyを増やしている環境の中、この視点から金の上昇余地は大きと思います。